読書日記PNU屋

読書の記録

2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ジェフリー・ディーヴァー「12番目のカード/THE Twelfth Card」

12番目のカードジェフリー・ディーヴァー著 / 池田 真紀子訳文芸春秋 (2006.9)ISBN:4163252908価格 : \2,200bk1で詳細を見るamazonで見る 真面目な黒人女学生・ジェニーヴァが図書館で男に襲われた。 彼女は機転でピンチを切り抜けるが、冷酷な男はさらに…

ニッポンのマンガとノベル。

2006.11朝日新聞社\1,100アエラムック。 手塚御大が偉大なのはもちろんだが、吾妻ひでおや諸星大二郎が載って いるのはとてもいい。 2006.10新潮社\1,470 細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男。 闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。 私が…

戸梶圭太「バカをあやつれ!」

バカをあやつれ!戸梶 圭太著文芸春秋 (2006.10)ISBN:4163252606価格 : \1,500bk1で詳細を見るamazonで見る とある田舎町に赴任した警察署長は、鬼畜のような企てをあたためていた …鬼畜系破廉恥、水は低きに流れるを実証してみせるバイオレンス小説。 いや…

太田忠司「甘栗と金貨とエルム」

甘栗と金貨とエルム太田 忠司著角川書店 (2006.9)ISBN:4048737163価格 : \1,365bk1で詳細を見るamazonで見る 強引な小学生からの依頼で、初めての探偵業をすることになった「私」。 ちょっぴり物悲しい探偵物語。 著者の別シリーズで主役をはっているあの人…

津原泰水「ブラバン」

ブラバン津原 泰水著バジリコ (2006.10)ISBN:4862380271価格 : \1,680bk1で詳細を見るamazonで見る かつてブラバンのメンバーだった男女が二十五年後、 一度だけ再結成するため集まろうとするが。 高校吹奏楽部青春物語かと思いきや、甘さは控えめ。 とうに…

マンガを買う。

★鈴木志保自選傑作集「END&」 エンドアンド鈴木 志保著WAVE出版 (2006.10)ISBN:4872902793価格 : \1,260bk1で詳細を見るamazonで見る うーむ、難しすぎて理解できない。 理解しようと試みること自体が誤りで、 感覚でとらえるべきなのかもしれない超…

西澤保彦「春の魔法のおすそわけ」

春の魔法のおすそわけ西沢 保彦著中央公論新社 (2006.10)ISBN:4120037770価格 : \1,680bk1で詳細を見るamazonで見る もうすぐ45歳にならんとする小説家の小夜子は、 どうにもうだつのあがらぬ現実に嫌気がさして飲んだくれていた。 そんな彼女の前に絶世の…

永井するみ「ダブル」

駆け出しライターの多恵は、葛西地区周辺の変死事件に興味を持ち、 ある主婦に疑いを抱くが…。 被害者も加害者も歪みまくっているサスペンス。 一応正義の側に位置するはずの多恵が思い込みの激しい エキセントリックなタイプの女性なので、読者として感情移…

三津田信三「凶鳥の如き忌むもの」

怪奇に目のない刀城言耶が出会った孤島の人間消失事件。 「厭魅の如き憑くもの」でも活躍した小説家探偵が事件に挑む。 ホラーとミステリーの境界をたゆたう作品ながら、 豊富な民俗学的蘊蓄と理屈の応酬があるので読みやすくはない。 頭に自信ある読者なら…

竹本健治「ウロボロスの純正音律」

装丁・京極夏彦 with FISCO、装画・喜国雅彦という豪華な一冊!! 実は私、シリーズ前作にあたる「ウロボロスの偽書」も 同「基礎論」も未読のまま、 いきなり本書を読んでしまったのだった。 事件自体は本書のみでも意の通じる独立したものであるが、 これ…

増田明利「今日、ホームレスになった 13のサラリーマン転落人生」

今日、ホームレスになった増田 明利著新風舎 (2006.7)ISBN:4289005144価格 : \1,260bk1で詳細を見るamazonで見る 一流企業、会社社長だった彼らは何故路上生活者になったのか。13人にインタビューしていくノンフィクション。 人は誰でも一冊の本に出来るほ…

柴田よしき「求愛」

求愛柴田 よしき著徳間書店 (2006.9)ISBN:4198622256価格 : \1,680bk1で詳細を見るamazonで見る 翻訳稼業の弘美が出会う、女性にまつわる悲しい事件。 「金と銀の香り」親友が元彼と結婚したが悩んでいるという。 弘美のお人好しが際立つお話。 「細い指輪」…

人を誉めるなら 生きてるうちに

石田徹也遺作集石田 徹也著求竜堂 (2006.5)ISBN:4763006290価格 : \3,150bk1で詳細を見るamazonで見る 絶賛品切れ中だった本が増刷されたらしく、ようやく届いた。 著者は静岡の人だったのか! 同郷じゃないか!ああびっくり。 さて内容だが、人と器物が溶け…

伊藤たかみ「八月の路上に捨てる」

八月の路上に捨てる伊藤 たかみ著文芸春秋 (2006.8)ISBN:4163254005価格 : \1,050bk1で詳細を見るamazonで見る 芥川賞受賞作含むニ編を収録。 表題作は自動販売機の商品補充をする主人公が、離婚に至る経過を 同僚に語る物語。 真面目なのにうまくいかない、…

楳図かずお「超・まことちゃん」(1)

ごんぬずぱっ! '80年代に連載されながら、なぜか長らく単行本化されていなかった 幻のヴァージョンが出たのら!メチャ面白いのら。 この場合のメチャは猫の方ではねいのだもーん。 …ううむ、まことちゃん文体は難しい。 超・まことちゃん、パワフルでもの…

青井夏海「星降る楽園でおやすみ」

高級保育園アイリスキッズホームに押し入った男達。 中にいる園児達の身の代金を取ろうというのだ。 園長は必死に対抗策を練るが…。 ほろ苦いサスペンス。 緊迫感にあふれ、園で働く人々の軋轢や子供を預ける家庭の事情が 抜き差しならずドキドキなのだった…

馳星周「ブルー・ローズ」上・下

元刑事だが多額の借金を返済するため探偵の真似事をする男。 元上司の娘が行方不明になり、彼に捜索依頼が出されるが。 ハードボイルドなんだけど濃厚にオジサン趣味でついていき難し。 主婦達がね〜、いくら暇だからと言って揃ってそんなことになるのかねぇ…

椎名誠「銀天公社の偽月」

とてつもなく変わった世界での悪夢のごとき日常を描く シーナ的SF作。 読者の想像力喚起する不可思議なネーミングが素敵である。 「滑騙の夜」奇怪な世界で暮らす夫婦。 ラストに途方もない衝撃が待っているのは小説ならではのサプライズ。 「銀天公社の偽月…

坂木司「シンデレラ・ティース」

歯医者嫌いの女子大生サキは、母に引っかけられて歯医者で バイトする羽目に。お嬢様青春アルバイトミステリー五編を収録。 読み始めはヒロインの純粋培養ぶり…この人は、なんとまあ 些細なことで傷つくのだろう! 余程今までの人生、箱入りで守られて来たの…

池井戸潤「空飛ぶタイヤ」

父の代から真面目一徹経営してきた赤松運送のトラックが 人身事故を起こした。 整備不良と決めつけられた赤松は、大企業ホープ自動車と 闘うことを決意する。 著者お得意の銀行ネタもバッチリ織り込まれた企業サスペンス。 脱輪による主婦死亡事故は、現実に…

新野剛志「愛ならどうだ!」

流されてそうなっちゃった悪徳警官、 ムショ帰りのチンケな泥棒、 イカレたストーカーが織りなす激安人生模様。 コメディタッチのクライムノベルは戸梶圭太が得意とするところだが、 本作の登場人物はトカジ小説よりもまだましな人生を送っている というか、…

おすすめコミック&ノヴェル。

大好きな椎名誠さま新作と、 押切蓮介さまの新作&まことちゃんマボロシの作品集を購入。 届くのが愉しみ。超!まことちゃん 1楳図 かずお小学館 (2006.9)ISBN : 4091807704価格 : \1,250bk1で詳細を見るamazonで見る でろでろ 8押切 蓮介講談社 (2006.10)…

田中啓文「ハナシにならん!笑酔亭梅寿謎解噺2」

ハナシにならん!田中 啓文著集英社 (2006.8)ISBN:4087748235価格 : \1,890通常24時間以内に発送します。bk1で詳細を見るamazonで見る 短気で頑固な師匠に弟子入りしてしまった竜二が主役の好評シリーズ第2弾。 第一弾はこちら「ハナシがちがう!」(文庫版…

篠田節子「夜のジンファンデル」

夜のジンファンデル篠田 節子著集英社 (2006.8)ISBN:4087748081価格 : \1,575bk1で詳細を見る amazonで見る 大人の黄昏感じさせるちょっぴりブラックな短編集。 「永久保存」 使えない女性社員にイライラする男。 ホラーにはありがちな展開。 なかなか怖い話…

樋口有介「ピース」

秩父の田舎町で連続してバラバラ殺人事件が発生する。 捜査は難航し、地方紙記者は初スクープと張り切るが…。 物語の切なさに定評ある著者だけれど、本書は異色ミステリー。 捜査班に緊迫感がなくどこかのんびりしているのにも違和感を覚えるが、 それよりつ…

薬丸岳「闇の底」

出所した性犯罪者が殺されていく。 正義はどこにあるのか問いかけるサスペンス。 乱歩賞受賞作「天使のナイフ」 でもそうだったが扱いの難しいテーマにチャレンジしている、 気概に溢れる作家である。 二作目となる本書では、再犯率の高い性犯罪は 犯人の命…

笹本稜平「駐在刑事」

警視庁捜査一課だった江波は、上司の判断ミスを押し付けられ、 山里の駐在に左遷されてしまう。 彼はくさらず登山の楽しみと住民との暖かな交流に生きがいを 見出すのだった。ハートウォーミングな山岳ミステリー六編を収録。 主人公・江波がいい人過ぎて大…

米澤穂信「ボトルネック」

ボトルネック米沢 穂信著新潮社 (2006.8)ISBN:4103014717価格 : \1,470bk1で詳細を見るamazonで見る 事故死した恋人を弔うため東尋坊を訪れた嵯峨野リョウはめまいと 共によく似た並行世界にトリップしてしまう。 なんともほろ苦いダウナー系の物語だ。 たっ…

貫井徳郎「空白の叫び」上・下

それぞれ中学生の若さで殺人犯になってしまった久藤・葛城・神原の 三人は少年院で出会った。筆舌に尽くしがたい責め苦の後、出所した彼らは…。 上下巻、1000ページを越える大作である。 出だしの少年院以前は似たようなことの繰り返しが多くやや退屈もした…

森博嗣「少し変わった子あります」

大学の先生がお気に入りの店は、名前がなく、場所も決まっていない妙な店。 そこで素性のわからぬ上品な少女と会食するのが彼の生きがいになっていき…。 うーん、雰囲気はいいと思うのだが、三章目を読み終えた時点で 少しうんざりしてしまった。何故だろう…