読書日記PNU屋

読書の記録

2007-01-01から1年間の記事一覧

香西豊子「流通する人体」

流通する「人体」―献体・献血・臓器提供の歴史香西 豊子 勁草書房 2007-07-17asin:4326101741Amazonで詳しく見る 副題・献体・献血・臓器提供の歴史。「人体」と、その「ドネーション」を歴史を追って考察する学術書。 ふう、ふだん大衆向けエンタしか読まな…

2007本格ミステリベスト10、これがお気に入り

2006.11〜2007.10までに刊行された本の中から、さらに私が読めた範囲内でこれは今年の収穫だと思うものを、理由とともにあげてみる。 最近、本格とは何ぞやとの議論がかまびすしいが、難しいことはわかんないので魅力的な謎と、その謎を論理的に解く過程を中…

川上弘美「東京日記2 ほかに踊りを知らない。」

東京日記2 ほかに踊りを知らない。川上 弘美 門馬 則雄 平凡社 2007-11-17asin:4582833799Amazonで詳しく見る 小説家のほんわかエッセイ第二弾。 相変わらず面白い。この、どこまでが本当でどこまでが脚色かわからないけど、やめられない止まらない面白さと…

大沢在昌「魔物」上・下

魔物 上大沢 在昌 角川書店 2007-11asin:4048737678Amazonで詳しく見る魔物 下大沢 在昌 角川書店 2007-11asin:4048737686Amazonで詳しく見る マトリの大塚は、頭を撃っても死なないロシア人と遭遇する。彼にはうるう年の1日しか地上に出られない魔物が憑い…

小路幸也「カレンダーボーイ」

カレンダーボーイ小路 幸也 ポプラ社 2007-11asin:4591100022Amazonで詳しく見る もし過去に戻ってやり直せるなら。今は四十代の男二人が、なぜかいきなり小学生にタイムスリップしてしまう。現在に問題を抱えつつも、過去の後悔の元をなくそうと奮闘する「…

歌野晶午「舞田ひとみ十一歳、ダンスときどき探偵」

舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵 (カッパ・ノベルス)歌野 晶午 光文社 2007-11-20asin:433407667XAmazonで詳しく見る 元気なひとみの叔父さんは刑事。事件を解くヒントがなぜか姪との会話から浮かび上がるミステリー連作集。 タイトルから、少女探偵ひと…

新堂冬樹「摂氏零度の少女」

摂氏零度の少女新堂 冬樹 幻冬舎 2007-11asin:4344014308Amazonで詳しく見る 動物を大好きなはずの少女は、いつしか変貌し母に毒薬・タリウムを盛るようになった。ティーン犯罪小説。 タリウムという時点で、現実にあった母親毒殺未遂事件をモデルにしている…

エッセイ・その他部門2007ベスト

2006.11〜2007.10までに刊行されたエッセイおよびノンフィクションの中から、私が読んで面白かったもののみ強引に紹介するコーナー。 エッセイ部門、と言っているのは、後日本格ミステリ部門とか一般小説・講義のミステリー部門なんかも発表したいから。■加…

菅浩江「プリズムの瞳」

プリズムの瞳菅 浩江 東京創元社 2007-10asin:4488018114Amazonで詳しく見る 天才博士によって作られた作業ロボット「ピイ」シリーズは、今や異物として街角にたたずみ絵を描くのみであった。 SF連作集。 ロボットと人々の交流が物悲しくも微笑ましくて良…

これを読め2007実話ベスト 

2006年11月〜2007年10月までに発行された本の中から、こりゃあすごいと思った本をご紹介。日本の現実部門■佐伯一麦「石の肺 アスベスト禍を追う」 石の肺 アスベスト禍を追う どんなホラーよりも現実が怖い。しのびよるアスベスト被害は一般家庭も例外ではな…

近藤史恵「タルト・タタンの夢」

タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ)近藤 史恵 東京創元社 2007-10asin:4488012280Amazonで詳しく見る 料理長は安楽椅子探偵?気さくなフランス料理屋「パ・マル」で繰り広げられる日常の謎解きは極上の味。ミステリー連作集。 グルメ+ミステリーと…

2007翻訳小説ベスト

2006.11〜2007.10までに発行された本から、自分なりのベストね。翻訳モノはほとんど読んでいないから、10もないな…。もちろん言うまでもなく、私が読んでない本の中にものすごおもろい本があるかもしれないよ。 ■1位 R.A.ラファティ「子供たちの午後」…

シオドア・スタージョン「[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ」

[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ (奇想コレクション)シオドア・スタージョン 若島 正 河出書房新社 2007-11asin:4309622003Amazonで詳しく見る 静かで奇妙な六編を収録するSF短編集。 うぬー、わかる人はハマるらしいけれど、さっぱりスタージョン…

東野圭吾「ダイイング・アイ」

ダイイング・アイ東野 圭吾 光文社 2007-11-20asin:4334925812Amazonで詳しく見る 始まりは交通事故だった。ちょっぴり怪奇風味のサスペンス。 もしこれが全き新人の作であったなら、設定に無理があるが読みやすいと評価しても良かっただろう。 だが、ベスト…

医学部ノンフィクション、コミケで売ります。

個人誌をつくりました。コミケにサークル参加します!12月31日 東京ビッグサイト 西1ホール、 「り」ブロック15a サークル「女医風呂」でございます! 開催10:00〜16:00 詳しくはコミケカタログなどで…。さて、売り物です。 ウェブで公開した話に…

神崎仁・隈部まち子「おまかせしない医療」

おまかせしない医療―自立した患者になるために神崎 仁 隈部 まち子 慶應義塾大学出版会 2005-10asin:4766411978Amazonで詳しく見る 副題・自立した患者になるために。 著者のひとりは、私がかつて学究の徒であったころの憧れたの師。当時教授にして病院長の…

米澤穂信「遠まわりする雛」

遠まわりする雛米澤 穂信 角川書店 2007-10asin:4048738119Amazonで詳しく見る 生き雛が遠回りするはめになった理由を推理する表題作など、日常の謎系ミステリー連作を収録する〔古典部〕シリーズ。 なんだか描写が(私には)くどく感じられるのと、キャラへ…

盗作疑惑。

私:コイゾラに盗作疑惑だってよ。ソース↓ http://news.www.infoseek.co.jp/topics/entertainment/n_yui_araragaki2__20071214_3/story/20071214jcast2007214549/ツレ:ケータイ小説ってどれもみんな似たような話だって、ラーメン大好きKさん(注・友人)が…

ジェフリー・ディーヴァー「ウォッチメイカー」

ウォッチメイカージェフリー・ディーヴァー 池田 真紀子 文藝春秋 2007-10asin:4163263306Amazonで詳しく見る 事件現場に時計を残すウォッチメイカーを追うサックスとライムだが。ライムシリーズ第七弾。 もうシリーズ第七弾なんだな。事件の捜査が忙しすぎ…

我孫子武丸「狩人は都を駆ける」

狩人は都を駆ける我孫子 武丸 文藝春秋 2007-12asin:4163265600Amazonで詳しく見る 開業したが閑古鳥の探偵事務所に持ち込まれる事件は、向かいの動物病院のせいかペット絡みで…ハードボイルド・ミステリー連作集。 ペットにまつわる事件というから、日常の…

本格ミステリ・ベスト10のみどころ

本格ミステリ・ベスト10 2008 (2008)http://d.hatena.ne.jp/pnu/20071206 ↑こんな日記を書いてしまった私ですが、謹んで訂正いたします! ランキング結果でゲンナリして続く頁をめくらなかったのだけど、なんとなんと、喜国氏・国樹氏による2007装丁傑作…

牧野修「ネクロダイバー 潜死能力者」

ネクロダイバー―潜死能力者 (角川ホラー文庫 66-10)牧野 修 角川書店 2007-11asin:404352210XAmazonで詳しく見る 物部が巻き込まれた、奇怪な現実。日常の裏側をのぞき見ると、そこにあるものは?死に限りなく近い状況から潜死者になった物部の闘いを描く連…

山田悠介「パーティ」

パーティ山田 悠介 角川書店 2007-11asin:4048738186Amazonで詳しく見る 4人は山頂を目指す。なぜなら、彼らが殺してもあきたりない憎い女がそこにいるというのだが…。 難病、純愛と流行りの要素を詰め込んであるが、細部の甘さやいい加減さは相当なもので…

森功「診せてはいけない」

診せてはいけない森 功 幻冬舎 2001-09asin:4344001222Amazonで詳しく見る 現役医師として院長でもある著者が、自らのヒヤリハット体験を明かして医療過誤はなぜ起きるのか、その対策を語り安全な医療を享受するためのアドバイスを送るノンフィクション。 い…

このミステリーがすごい!もさようなら

このミステリーがすごい! 2008年版 自分にとって、わくわくがなくなったからもう買いません。 ネット各地にちらほらと内容バレがきていて、1位は私がもう二度と読まないと誓った作家(現実を露骨にモデルとしてそっくり持ち込む創作方法が嫌いなのだ)だっ…

上野正彦「死の雑学」

死の雑学―舌を噛み切っても死ねない理由上野 正彦 イーストプレス 2005-12asin:487257592XAmazonで詳しく見る 人は舌を噛んで自殺する、雷に打たれると黒焦げになる…など、常識として流布している噂を医学的に否定したり、人が急死してしまう状態を解説する…

本格ミステリベスト10よ、さらば。

本格ミステリ・ベスト10 2008 (2008) 本年度版が出ていましたわね。 ベスト10ランクイン作ですら全部読めていないので、口をはさめないのだがコレとかが入ってるのは明らかに違うだろうと。無理くりミステリーに含めるなら思いびとの残した手紙とかが日常…

桜庭一樹「私の男」

私の男桜庭 一樹 文藝春秋 2007-10asin:4163264302Amazonで詳しく見る 花のおとうさんは最低だけど最高…禁断の恋愛サスペンス。 この本を読みたくなかった。なにしろ潔癖症の自分のことだからインセスト小説なん か読んだって、不快になるに決まっている。そ…

西尾維新「刀語 第十二話 炎刀・銃」

刀語 第十二話 炎刀・銃 (エントウ・ジュウ) (講談社BOX)西尾 維新 竹 講談社 2007-12-04asin:4062836521Amazonで詳しく見る 旅の終わりはもの悲しく、二人は引き裂かれてしまうのか?十二ヶ月連続刊行大河小説、ついに完結。 あー、うゎー。もしやまさか。…

有川浩「図書館革命」

図書館革命有川 浩 メディアワークス 2007-11asin:4840240221Amazonで詳しく見る メディア良化法に抗うため武力を持った近未来の図書館。原発テロを契機に図書隊前代未聞の事件が勃発するシリーズ最終巻。 分厚く見えるがテンポのよい文章とノリのよいキャラ…