読書日記PNU屋

読書の記録

2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

森田豊「産科医が消える前に」

産科医が消える前に森田 豊 朝日新聞出版 2008-04-22asin:4022504285Amazonで詳しく見る 副題「現役医師が描く危機回避のシナリオ」。 マスコミが騒いだ産科関連のトピックスを産科医の視点から考察、現代日本が産科医療のレベルを維持するために何をすべき…

有栖川有栖「壁抜け男の謎」

壁抜け男の謎有栖川 有栖 角川グループパブリッシング 2008-05-01asin:4048738461Amazonで詳しく見る 推理あり、幻想小説ありのノン・シリーズ短編集。創作の裏側がわかるあとがき(自作解説)つき。 他のアンソロジーで既読の話が数篇あったけれども、自分…

熊谷早智子「家庭モラル・ハラスメント」

家庭モラル・ハラスメント熊谷 早智子 講談社 2008-05asin:4062725037Amazonで詳しく見る 結婚前優しかった彼が、豹変してしまったのはなぜ?十九年の結婚生活に耐えた著者が、モラハラの概念を知り離婚、幸福をつかむまでの壮絶な記録。 いやあ、読んでいて…

篠田真由美「闇の聖杯、光の剣 北斗学園七不思議」

闇の聖杯、光の剣篠田 真由美 理論社 2008-04asin:4652086229Amazonで詳しく見る アキ、ハル、タモツの男子中学生三人組が活躍するオカルト風味の学園ミステリー。「北斗学園七不思議」シリーズ第二弾。 今回はアキが大活躍。少年から青年まで美形の男性目白…

ゲッツ板谷「許してガリレオ!」

許してガリレオ! 西原 理恵子 角川書店 2008-03-25asin:4043662106Amazonで詳しく見る ゆかいなやつらのチョイ悪エッセイ。 著者の「BESTっス!」が面白かったので、現時点での最新文庫を買って読んだ。ヤバい。クるわ。やっぱ、おもろいわ。癖になるわ、こ…

愛川晶「神田紅梅亭寄席物帳 芝浜謎噺」

芝浜謎噺原書房 2008-04-21asin:4562041528Amazonで詳しく見る 「道具屋殺人事件」に続く落語シリーズ第二弾。 今回は出だしの話に少々設定上の無理を感じ、一作目はたいそうよかったのにパワーダウンか…て思ったが、ラストの話が本当に素晴らしかった。 落…

人間より高価なネズミ

ビーケーワンのサイトで新刊チェックしていたら、すごいビジュアルの本を見た。これである。ラットの断面解剖アトラス【グロ】↓amazonは画像がないので勇気ある方はビーケーワンをどうぞ↓【注意】 http://www.bk1.jp/product/03000095 人間の解剖学アトラス…

神田謙「はるさん マイ ラブ」

はるさんマイラブ神田 謙 ライブドアパブリッシング 2005-03asin:4779400031Amazonで詳しく見る ブログ発の書籍の走りであり、カラー写真も多数。巻末のライブドアブログ紹介に隔世の感がある。今でこそブログ発ペット本は珍しくないが、当時はこのコピー(…

ゲッツ板谷「BESTっス!」

BESTっス!ゲッツ板谷 小学館 2007-08-22asin:4093876673Amazonで詳しく見る 愉快な家族と仲間たちのおまぬけな日常を描くエッセイ傑作選に書き下ろしを加えた本。 私が本書を手に取ったのは、図書館でこの本を見かけ、あの数年前にやたら「ゲッツ!」と言っ…

羽田圭介「走ル」

走ル羽田 圭介 河出書房新社 2008-03asin:4309018580Amazonで詳しく見る 自転車に乗った「僕」は学校をさぼって走りだす。 青春ロード(レース)ノベル。いや、「黒冷水」はサスペンスジャンルだったが、続く2作ですっかり、純文学というか青春小説の人にな…

岡田斗司夫「オタクはすでに死んでいる」

オタクはすでに死んでいる岡田斗司夫 新潮社 2008-04-15asin:4106102587Amazonで詳しく見る オタク同士のコミュニティはなぜなくなりつつあるか、豊富な事例を交えながら解説する本。 タイトルはショッキングなイメージがあるが、マイノリティだったオタク族…

泡坂妻夫「卍の魔力、巴の呪力」

卍の魔力、巴の呪力泡坂 妻夫 新潮社 2008-04asin:4106036029Amazonで詳しく見る 羽が桜の花びらになった蝶、稲妻の翼なびかせる鶴、身体に牡丹の花開く蟹。これらはファンタジー世界の住人ではなく、実在する紋章なのだ。 推理作家兼マジシャン、紋章上絵師…

紺野修「部屋とYシャツとうさぎ」

部屋とYシャツとうさぎ紺野 修 マガジンランド 2008-04-11asin:4944101368Amazonで詳しく見る 三十代サラリーマンがうさぎと暮らすブログ発の書籍。 「彼女にふられたのでうさぎを飼った」なる、livedoorブログ発の本「はるさんマイラブ」の売り文句「離婚し…

三津田信三「山魔の如き嗤うもの」

山魔の如き嗤うもの三津田 信三 村田 修 原書房 2008-04-21asin:456204151XAmazonで詳しく見る 忌み山絡みの連続殺人事件。密室、童謡見立て殺人の謎を怪奇小説家・刀城が解く。 いやー、旧家の因縁と巻き起こる連続殺人という実に横溝テイストのミステリな…

西澤保彦「腕貫探偵、残業中」

腕貫探偵、残業中西澤 保彦 実業之日本 社 2008-04asin:440853529XAmazonで詳しく見る まるで葬儀屋のようなその男は、市役所勤めの名探偵だった!ミステリ短編集。 今回も前作に引き続き、軽妙にして少し残酷な人間模様が展開する。腕貫さんの秘密はあまり…

松尾由美「フリッツと満月の夜」

フリッツと満月の夜松尾 由美 ポプラ社 2008-04asin:4591101479Amazonで詳しく見る 父親の仕事に付き合って夏休みに海辺に滞在することになったカズヤは、不思議な猫と出会う。 少年少女のために描かれたファンタジック・ミステリー。タイトルにもなったフリ…

荻原浩「愛しの座敷わらし」

愛しの座敷わらし荻原 浩 朝日新聞出版 2008-04-04asin:4022504242Amazonで詳しく見る 一家五人で引っ越した田舎家には、座敷わらしがいた?ハートウォーミング長編小説。 嫌な奴もあまり出てこないし、可愛くてのどかな小説だ。 読む前は手塚治虫「雨降り小…

松尾スズキ「サビシーマン」

サビシーマン松尾 スズキ 扶桑社 2008-04-09asin:4594056326Amazonで詳しく見る 「SPA!」連載エッセイを著者イラスト付き、傑作選をカラーにて収録した単行本。 今、私に松尾スズキ・ブームが来ている。みうらじゅん的に言うと松尾スズキがマイブームである…

川上弘美「風花」

風花川上 弘美 集英社 2008-04-02asin:4087712079Amazonで詳しく見る 三十過ぎてふわふわ生きるのゆりは、夫の浮気が本気になったことを知らされる。 三十路の専業主婦だった女性が経済的自立を目指し、夫の存在と不在から、自らを見つめなおす自分探し小説…

香納諒一「ステップ」

ステップ香納 諒一 双葉社 2008-03-19asin:457523611XAmazonで詳しく見る 不思議な香水により(?)死ぬと過去へスキップし、もう一度同じ日をリピートするようになってしまった男の目まぐるしい一日を描くサスペンス。 誰の記事だったかは忘れたけど、「本…

篠田節子「Xωρα 死都」

Xωρα(ホーラ)―死都篠田 節子 文藝春秋 2008-04-11asin:416326910XAmazonで詳しく見る ヴァイオリンが結ぶ奇縁か、不倫カップル旅行は異世界への旅路となる。幻想小説。 私はオビの惹句から本書の内容を勘違いしていて、てっきり「コンタクト・ゾーン」みたい…

ユージン・H.カプラン「奇妙でセクシーな海の生きものたち」

奇妙でセクシーな海の生きものたちユージン・カプラン 土屋 晶子 インターシフト 2007-11-15asin:4772695109Amazonで詳しく見る ユーモアあふれるエキサイティングな海の生物生態ノンフィクション。 大学の生物学の講義内容がもとになっているようだが、自然…

西尾維新「傷物語」

傷物語 (講談社BOX)西尾 維新 VOFAN 講談社 2008-05-08asin:4062836637Amazonで詳しく見る 植物になりたいと願う阿良々木暦が出逢ったのは、凄絶なまでに美しい金髪の吸血鬼だった! 「化物語」 の前日譚。 いいわぁ。パンチラの描写が粘っこく続く導入部こ…

山本弘「宇宙はくりまんじゅうで滅びるか?」

宇宙はくりまんじゅうで滅びるか?山本 弘 河出書房新社 2007-07asin:4309018297Amazonで詳しく見る と学会会長にして小説家である著者の初エッセイ本。 これ、新刊で買ってずっと積んであって、こないだ買ったような気がしてたのに奥付見たら2007年7月だった…

石持浅海「賢者の贈り物」

↓こんな苦労↓をしてリクエストした本が届いたので読む。 http://d.hatena.ne.jp/pnu/20080417/p1賢者の贈り物石持 浅海 PHP研究所 2008-03-25asin:4569698492Amazonで詳しく見る 全ての短編に『磯風』なる名の謎の美形が登場する、ちょっぴりファンタジック…

瀬名秀明「エヴリブレス Every Breath」

エヴリブレス瀬名 秀明 エフエム東京 2008-03-14asin:4887451954Amazonで詳しく見る すれ違うキョウコとヨウヘイの静かなラブストーリー。 ラジオ、ネットゲーム、呼吸と言葉とキス、未来への希望、生命とは何か。概念や一つ一つのシーンはきらめいて素敵な…

梶尾真治「アイスマン。ゆれる」

アイスマン。ゆれる梶尾真治 光文社 2008-03-20asin:4334926002Amazonで詳しく見る 病身の母を支えて暮らす女性には、特殊な力があった。せつない風ラブストーリー。 読みやすいし物語の引きもなかなか。しかし、ラストが見え見えの予定調和だったりとか、ヒ…

信田さよ子「母が重くてたまらない 墓守娘の嘆き」

母が重くてたまらない信田 さよ子 春秋社 2008-04asin:4393366255Amazonで詳しく見る カウンセラーである著者が母娘関係が密着した家庭の歪みを例をあげて解説する書。 私は家出をした人間なので、こうした親子間問題に興味があり、読んでみた。 重たい母の…

久坂部羊「大学病院のウラは墓場」

大学病院のウラは墓場久坂部 羊 幻冬舎 2006-11asin:4344980042Amazonで詳しく見る 副題「医学部が患者を殺す」。医療制度の問題を見つめるノンフィクション。 タイトルからは大学病院を糾弾するような印象を受けるが、それだけではない。現役の医師としての…

西浦和也「虚空に向かって猫が啼く―百奇蒐集録―」

虚空に向かって猫が啼く西浦和也 竹書房 2007-12-25asin:4812433460Amazonで詳しく見る 何もない空間を見つめる猫は、いったい何を見ているのか?説明のつかぬ恐怖百話をぎっしり詰め込んだ怪談集。 いいなあこれ。語り口はなめらかでいて、切れ味の良い話の…