読書日記PNU屋

読書の記録

2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

加藤一「「極」怖い話」

「極」怖い話加藤 一 竹書房 2008-03-29asin:4812434149Amazonで詳しく見る 体験談だけを切り取るのではなく、話者の背景をも記録していく実話怪談集。 怖い話シリーズには老舗にして至高のブランド「超」、同著者のシリーズ「弩」などがあるが、本書は〔記…

霞流一「死写室」

死写室霞 流一 新潮社 2008-02-27asin:4103065311Amazonで詳しく見る 紅門探偵がズバリ謎を解くミステリー短編集。 映画の現場にまつわる殺人事件8編を収録。バカミス(ユーモアミステリーと呼ぶべきかもしれない)とよく呼ばれる霞作品だが、なんのなんの…

綾辻行人「深泥丘奇談」

深泥丘奇談綾辻行人 メディアファクトリー2008-02asin:4840121745Amazonで詳しく見る 作家が体験する奇怪な出来事の数々を描く幻想連作集。 私が雑誌「幽」で最初の短編「顔」を読んだときには、正直ピンと来なかった。イメージだけを弄んだように感じたせい…

城山三郎「そうか、もう君はいないのか」

そうか、もう君はいないのか城山三郎 新潮社 2008-01-24asin:4103108177Amazonで詳しく見る 作家が語る妻との出会いと結婚生活、そして別れ。涙なしには読めないいのちのエッセイだ。 私はふだん享楽的な書物しか読まないので著者の小説を読んだことがなかっ…

今住裕子「慶應大学病院看護婦日記」

慶応大学病院看護婦日記今住 裕子 ベストセラーズ 1994-05asin:4584158207Amazonで詳しく見る 副題「それでも私は看護婦をやめない」。 慶大で看護師として活躍し、のちに企業の診療所へ異動(?)した著者の思い出日記である。まだ看護師が「看護婦」と呼ば…

西城有朋「精神科医はなぜ心を病むのか」

精神科医はなぜ心を病むのか西城 有朋 PHP研究所 2008-01asin:4569655750Amazonで詳しく見る 現在の日本における精神科の諸問題を暴露するノンフィクション。 最近わけあって医療系の暴露本をリサーチしているので読んでみた。黒・赤・白の印象的な装丁と意…

馳星周「弥勒世」上・下

弥勒世(みるくゆー) 上馳 星周 小学館 2008-02-21asin:409379782XAmazonで詳しく見る弥勒世(みるくゆー) 下馳 星周 小学館 2008-02-21asin:4093797838Amazonで詳しく見る 基地問題に揺れる沖縄で、世界を変えたいとあがく男たちの奮闘を書く小説。 ううう〜…

養老孟司「生と死の解剖学」

なんと、オンライン書店の検索でhitしないじゃないかー!! テレビ企画と雑誌掲載原稿をまとめた、「夜中の学校」シリーズ本。 解剖のカリキュラム、ヒトは死をどう考えているか、生物学的性差とは、などが一般向けに易しく語られている。哲学的な記述は皆無…

ダレン・シャン「デモナータ6幕 悪魔の黙示録」

悪魔の黙示録 (デモナータ 6幕)Darren Shan 田口 智子 橋本 恵 小学館 2008-03asin:409290326XAmazonで詳しく見る 信じていたあの人がまさか…グラブスを取り囲む悪魔の群れ。ロード・ロスとの因縁の行方は?彼は愛する人を救うことができるのか?緊迫の第6巻…

結城伸夫「恐怖投稿 逢魔が時物語 月触の宴」

恐怖投稿 逢魔が時物語 月蝕の宴結城 伸夫 逢魔プロジェクト 新風舎 2006-08asin:4289011489Amazonで詳しく見る ウェブに投稿された心霊譚と、著者自身の体験からなる怪談本。 シリーズ前作が私的にはパッとしなかったこともあり、読む気はなかったのだが版…

町田康「フォトグラフール」

フォトグラフール町田 康 講談社 2008-02-15asin:4062145170Amazonで詳しく見る 「序にかえて」からすでに仕込み満々な楽しい町田康版《写真で一言》。 彼が創始者なのかどうかは知らないが、奇妙な写真や真面目な写真に奇想天外なコメントをつけるエンター…

河井克夫「猫と負け犬」

猫と負け犬河井克夫 メディアファクトリー 2008-02-27asin:4840121788 Amazonで詳しく見る 私が大ファンな漫画家・河井克夫最新刊はファンシーでラヴリーな内容である。「ダ・ヴィンチ」に連載されていたものなので、読書好きなら読んだことがあるのでは。 …

セイってアンタ…

昨日の日記で「チン●コ度高し」と書いたところ、相方から「あ〜あ、チ●ポコとか書いて。工口ワードで検索してアラシが来るぞ」って言われたけれど、しょうがないのよ文句はシーナさんに言ってよ。一冊の本に何度チ(以下略)が出てきたことか、と思うのであった…

椎名誠「わしらは怪しい雑魚釣り隊」

わしらは怪しい雑魚釣り隊椎名 誠 サン出版 2008-02asin:4914967952Amazonで詳しく見る シーナとゆかいな仲間たちは雑魚を釣りまくるキャンプをやりまくるのだった。 「怪しい探検隊」シリーズの由緒正しき続編である。面子は初期とはだいぶ異なるけれど、ユ…

読もうかなっという本

文春連載の「生きるコント」が出版された。演劇には興味のない私だが、雑誌掲載時にひどくひきつけられるコラムがあった。単行本化を機に、まとめて読んでみようかな。 ココから先は、動物好きの人はなるべく読まないように。 週刊文春二月二十一日号、第五…

恩田陸「猫と針」

猫と針恩田 陸 新潮社 2008-02asin:4103971096Amazonで詳しく見る 友人の葬式後、集った人々は噂話を始めるが、そこから疑惑が立ち上がる。 戯曲そのままの一冊である。雰囲気はミステリアスなのだが、ミステリーかと言われたら疑問符が頭を飛びかうな。動機…

西尾維新「零崎曲識の人間人間」

零崎曲識の人間人間西尾 維新 講談社 2008-03asin:4061825828Amazonで詳しく見る 零崎一賊はいかにして●びたか…「少女趣味」零崎曲識の戦いを描く戯言シリーズ外伝。 いや、ヤラレたなあ。最初の一編がゆる〜い雰囲気をかもしだしていたので気を抜いて読んで…

直木賞作家が無断使用

上の日記タイトルは、Yahooニュースのヘッドラインからの引用なのだが、ニュースのタイトルつける人は好奇心あおるのが本当にうまいな。作家の名前をタイトルに入れずに、「直木賞作家」とだけ書くものだから、ああもしあの人だったらどないしよう?!と思っ…

敬愛する押切蓮介先生の本が4冊同時刊行

購入したのだが、これがイイーーーー!!!! 「でろでろ」はもはや説明不要なホラーギャグアクション漫画。 書き下ろし日記漫画までもが、相変わらず面白いぜ。でろでろ(12)押切 蓮介 講談社 2008-03-06[asin:4063754529]Amazonで詳しく見る 「プピポー!」…

ブログは果てしない宣伝スパムやアラシとの戦い。

「●雇いバイトのブログ」(●は一応伏せ字)というところから、トラックバックが来た。 当方は注意書きにもあるとおり、読書感想の記事しかトラックバックは受け付けない と言っている。ローカルルールである。 ニュースサイトでもないブログだし、読んでくださ…

鳥飼否宇「官能的 四つの狂気」

官能的――四つの狂気鳥飼否宇 アランジアロンゾ 原書房 2008-01-24asin:4562041374Amazonで詳しく見る 自他ともに認める童貞変態教授が出会う4つの事件。 (たぶん)「本格的」の続編にあたる作品だが、あいかわらずのアホらしさでよい。アランジアロンゾの…

成島香里「医者は自分の病気を治せるか」

医者は自分の病気を治せるか成島 香里 ポプラ社 2000-10asin:4591065960Amazonで詳しく見る 副題「お医者さん15人の闘病記」。著者が生死に関わる重病を患った医師にインタビューしていくノンフィクション。 今、事情があって一般向け医学系書物をリサーチし…

岸田るり子「過去からの手紙」

過去からの手紙岸田 るり子 理論社 2008-02asin:4652086180Amazonで詳しく見る 高校生の純二が合宿から帰ると、腐肉の臭いに出迎えられ、家には置き手紙があり、母はいなかった。純二は謎を幼なじみの静海と共に調べ始めるが。 理論社ミステリーYA!の一冊。…

和田靜香「ワガママな病人VSつかえない医者」

ワガママな病人VSつかえない医者和田 靜香 文藝春秋 2007-02asin:416771311XAmazonで詳しく見る 心配性の著者(音楽ライター)が病院をめぐり、横柄な医療従事者たちにユーモアでくるんだ怒りを投げつける病気エッセイ。イラストは著者によるもの。 最近わけ…

阿刀田高「やさしいダンテ〈神曲〉」

やさしいダンテ〈神曲〉阿刀田 高 角川書店 2008-02asin:4048839861Amazonで詳しく見る 著者がギリシャ神話、聖書など発表している古典解説シリーズ、今回はダンテの神曲のエッセンスを解説する。 しかし、携帯電話では「ダンテ」も「神曲」も一括変換できな…

(ややネタバレ)怪物王女は……

怪物王女 1 (1) (シリウスコミックス) ……Gu−Guガンモだった? アニメ化もされた人気マンガ「怪物王女」をやっと読んだ。 いや、タカビーな王女が人間の男を奴隷にする話だと思って敬遠していたのだが、意外に素直な王女さまだったので抵抗なく読めた。絵も線…

バーバラ・スミット「アディダスVSプーマ」

アディダスVSプーマ もうひとつの代理戦争バーバラ・スミット 宮本 俊夫 ランダムハウス講談社 2006-05-25asin:4270001275Amazonで詳しく見る 副題「もうひとつの代理戦争」Barbara Smit:Pitch Invasion ある一家を起点として発展してきたアディダスとプーマ…

今月の挫折本

重松清「ブランケット・キャッツ」に挫折したッ!!! ブランケット・キャッツ 冒頭の短編に果てしなくしょっぱい気持ちに。もともと重松作品に揺さぶられた記憶がなく(言うほど読んでいないけどさあ)、なんだか考え方の根っこが自分とは違う作家さんなの…

島田荘司「Classical Fantasy Within 第三話 火を噴く龍」

Classical Fantasy Within 第三話 火を噴く龍 (講談社BOX)島田 荘司 士郎 正宗 講談社 2008-03-04asin:4062836610Amazonで詳しく見る 敗色濃厚な日本を襲う大空襲。人心は荒廃し、少年と美貌の母は餌食になる…。 今回大きく物語が動くのだが、まだ着地点は遥…

石田衣良「親指の恋人」

親指の恋人石田 衣良 小学館 2008-01-29asin:4093862052Amazonで詳しく見る 二十歳のスミオとジュリアの、出会い系サイトから始まる純愛物語。 …と思って読んでみたら、5ページ目で激しく展開バレが。流れから、どうして彼らが悲劇の主人公となることを選ん…