読書日記PNU屋

読書の記録

コッパー

絲山秋子「北緯14度」

北緯14度絲山 秋子講談社 2008-11-21asin:4062150905Amazonで詳しく見る 小説家、セネガルへ行くの巻。 私はドゥドゥのことも全然知らないし、アンチスモークだし、セネガルに興味もないし、おまけに著者のファンってわけでもないが、楽しめた(←じゃあ、何…

穂村弘「現実入門」

現実入門穂村 弘光文社 2005-03-23asin:4334974775Amazonで詳しく見る 歌人が世の中のあれこれに挑戦していく軽快な一冊。 かねてから評判のよい著者のエッセイを読もう読もうとは思っていたのだが、今ごろようやく読書。ユーモラスで楽しい本である。言葉の…

恒川光太郎「草祭」

草祭恒川 光太郎新潮社 2008-11asin:4103130415Amazonで詳しく見る 美奥と呼ばれる土地で起きる、不思議な出来事とは…怪奇幻想連作集。 謎は謎のままに淡々と進むので、物足りなさを感じる。こういう淡い作風もありだと思うが、私からするとアッサリしすぎて…

江花優子「君は誰に殺されたのですか―パロマ湯沸器事件の真実」

君は誰に殺されたのですか江花 優子新潮社 2008-11asin:4103131810Amazonで詳しく見る まだ若い青年は、湯沸器によって生命を絶たれた。遺族である両親が、警察を動かし企業に生命を重視するよう訴えかける経過を綴ったノンフィクション。 安全・安心なはず…

桐野夏生「女神記」

女神記 新・世界の神話桐野 夏生角川グループパブリッシング 2008-11-29asin:4048738968Amazonで詳しく見る 16で死んだ巫女が死の世界で出会った女神はイザナミだった。 めがみき、ではなく「じょしんき」。事前情報を何も見ぬまま読み始めたので、現代も…

松岡圭祐「千里眼の教室」

千里眼の教室松岡 圭祐角川書店 2007-05asin:4043836074Amazonで詳しく見る 突如、高校国として日本から独立の名乗りをあげ、学校に籠城する高校生たち。千里眼・岬美由紀は彼らにどう対応するのか。 小学館から角川書店へリニューアル後の千里眼シリーズで…

横山泰子「江戸歌舞伎の怪談と化け物」

江戸歌舞伎の怪談と化け物横山 泰子講談社 2008-09-11asin:4062584212Amazonで詳しく見る 歌舞伎の水中早変わり、流行った霊・妖怪etc.を解説する講談社選書メチエの一冊。 怖い話や妖怪が好きなので、なんとなく手に取った。 歌舞伎には興味なくて見たこと…

大井良「鉄道員裏物語」

副題「現役鉄道員が明かす鉄道の謎」鉄道員裏物語大井 良彩図社 2008-01-28asin:4883926273Amazonで詳しく見る 駅と電車の秘密を語るノンフィクション。 出だし、いきなり『マグロ』と呼ばれる轢死体の処理から始まる。ツカミは抜群である。美文ではないが読…

町田康「真説・外道の潮騒」

真説・外道の潮騒町田 康角川グループパブリッシング 2008-10-31asin:404873895XAmazonで詳しく見る 小説家にして音楽家でもあるマチーダはテレビ出演のオファーを受けるが、テレビ局側の人間は言葉は話すが話が通じないモンスターのような人格だった…。 「…

島田荘司「Classical Fantasy Within 第六話 アル・ヴァジャイヴ戦記 ポルタトーリの壺」

Classical Fantasy Within島田 荘司講談社 2008-12asin:4062836904Amazonで詳しく見る 祖国サラディーンを救うため、騎士ショーンは仲間たちと決死行を続ける。 謎はいまだ多く、先の見えない展開だ。今回は(今回も?)パズル色が強いかもしれない。 次回で…

西尾維新「真庭語」  

真庭語 (講談社BOX)西尾 維新講談社 2008-12-02asin:4062836874Amazonで詳しく見る「刀語」からスピンオフの真庭忍軍物語、「蝙蝠・喰鮫・蝶々・白鷺」〜いずれも初代の物語。 「刀語」は私は、主役カップルに感情移入できなくて、ヤラレ役たる真庭忍軍のト…

不知火京介「ただいま」

ただいま不知火京介光文社 2008-09-20asin:4334926339Amazonで詳しく見る すこしふしぎな短編集。 思い切りトンでる話と現実寄りの話がごったになっているので、やや座り心地の悪さがあったけれど、総じてまじめで丁寧な作品集と感じた。とくに、「あなたに…

石田衣良「シューカツ!」

シューカツ!石田 衣良文藝春秋 2008-10asin:4163275002Amazonで詳しく見る 就職活動のため、大学生たちは対策チームを作った。男女七人就職物語。 自分は新卒のとき就活をしたことがないので、ほうこのようなものかー、と興味深く読んだ。 石田作品にはつき…

奈良裕明「1週間でマスター 長編小説のかたち」

「小説のメソッド3〈未来への熱と力〉」小説のメソッド〈3〉未来への熱と力 奈良 裕明雷鳥社 2006-09asin:4844134337Amazonで詳しく見る 名作映画を例にとり、カメラワークと演出を語る、小説入門第三弾。 やや誤字(誤変換?)多し。ハリポタは祖父母じゃな…

牧野修「呪禁捜査官 訓練生ギア」

呪禁捜査官―訓練生ギア牧野 修祥伝社 2004-01asin:4396331452Amazonで詳しく見る 呪術が社会的に認められ、科学を時代遅れな存在に追いやるような世界。そこには、呪術を学ぶ才能ある若者たちがいた。その一人ギアは、かつて天才的魔術師に父を殺されていた…

誉田哲也「ヒトリシズカ」

ヒトリシズカ誉田 哲也双葉社 2008-10asin:4575236403Amazonで詳しく見る 警察官の娘が家出した。しかし、彼女は行く先々で黒い行動をしていた…連作サスペンス。 警察モノかと思いきや、次第に悪女モノになり、ラストひっくり返る。 惜しいのは、ヒロインの…

奈良裕明「一週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド」

小説を書くための基礎メソッド奈良 裕明雷鳥社 2003-04asin:4844134159Amazonで詳しく見る副題「小説のメソッド初級編」 監修・編集の学校小説を描きたい人へ、文章の学校講師が送る書物。 へーい、まだ小説書くのを諦めてない俺っちが懲りずに新たな入門書…

東野圭吾「聖女の救済」

聖女の救済東野 圭吾文藝春秋 2008-10-23asin:4163276106Amazonで詳しく見る 身勝手な男が毒殺された。犯人の目星はついたが、容疑者には完璧なアリバイがあった…ガリレオ・シリーズ長編。 力の入ったミステリーである。事件自体は地味なもので、殺されても…

辻村深月「ロードムービー」

ロードムービー辻村 深月講談社 2008-10-24asin:4062150859Amazonで詳しく見る 青春をミステリー的に書く短編集。 表題作にはヤラレた!手垢のついた使い古された手なのに、こうアッサリ引っ掛かるのは、登場人物に深く感情移入していたせいだろう。お見事。…

雫井脩介「犯罪小説家」

犯罪小説家雫井 脩介双葉社 2008-10asin:4575236357Amazonで詳しく見る 権威ある賞をとった作家のもとに映画化のオファーが来るが、監督はネットの或る自殺サイトに異様な興味を持つ人間だった…サイコサスペンス。 監督のキャラがいわゆる『距離梨』の典型で…

メアリ・ホフマン「聖人と悪魔 呪われた修道院」

聖人と悪魔―呪われた修道院乾 侑美子 小学館 2008-10asin:409290374XAmazonで詳しく見る 若い貴族・シルヴァーノは殺人の疑いをかけられて修道院にかくまってもらうことに。隣り合う女子修道院にはわけありの美少女、そして修道院では連続殺人が…。中世を舞…

江坂遊「鍵穴ラビリンス」

鍵穴ラビリンス江坂 遊講談社 2008-10-07asin:4061826174Amazonで詳しく見る ブラックユーモアの利いた不条理ショート・ショート集。奇想幻想中心で、いろいろな国や時代を舞台にしているのだが、やや考えオチが多めかもしれない。 私にはトホホに思える退屈…

山本弘「詩羽のいる街」

詩羽のいる街山本 弘角川グループパブリッシング 2008-09-25asin:4048738844Amazonで詳しく見る 不思議な女性、詩羽は“わらしべ”方式でみんなをハッピーにしていた…ポジティブな連作集。 事前情報をシャットアウトして読んだんで、まずバリバリのSFじゃなか…

戸梶圭太「今日の特集」

今日の特集戸梶 圭太中央公論新社 2008-09asin:4120039773Amazonで詳しく見る 報道番組の取材を代行する下請け会社は激安人間の巣窟だった!トカジ流AD哀史。 ハイ、いつも通りのトカジ小説ですな。表紙やタイトルから想像されるほど社会派小説じゃあない。…

黒武洋「ファイナル・ゲーム」

ファイナル・ゲーム黒武 洋角川グループパブリッシング 2008-09-26asin:404873881XAmazonで詳しく見る 大学時代、『シゼンクラブ』と称して違法すれすれの遊びをしていた男子たち。卒後、部長により再び彼らは集められ孤島へ渡るが、そこに待っていたのは命…

清原康正「小説を書きたい人の本」

小説を書きたい人の本清原 康正成美堂出版 2005-05asin:4415029833Amazonで詳しく見る 小説教室で長年生徒指導をしてきた著者が、小説の基本と書き方のノウハウ、新人賞への応募の仕方などを、指導例を交えて語る入門書。 さて、不惑を前にして小説を書いて…

田中啓文「チュウは忠臣蔵のチュウ」

チュウは忠臣蔵のチュウ田中 啓文文藝春秋 2008-09asin:416327460XAmazonで詳しく見る 忠臣蔵をなぞりつつもひっくり返す、講談のはじまり、はじまりー。 私は忠臣蔵に全く興味がなくて、ドラマも映画も見たことがない。それなのに粗筋を知っているのは、何…

関根眞一「となりのクレーマー」

となりのクレーマー関根 眞一中央公論新社 2007-05asin:4121502442Amazonで詳しく見る 百貨店のクレーム係を長年勤めた著者が明かす、クレームの実例と対処のコツ。 苦情とクレームの違いは、金品を要求してくるか否かだそうだ。私は苦情は入れたことあるが…

有栖川有栖「火村英生に捧げる犯罪」

火村英生に捧げる犯罪有栖川 有栖文藝春秋 2008-09-25asin:4163274502Amazonで詳しく見る 火村&アリスシリーズの短編集。創作のヒントうかがえる著者あとがき付き。 全体的に粒ぞろいな代わりに突出した話もなく、ネタがこぢんまりというか、地味というか……

荻上チキ「ネットいじめ」

ネットいじめ荻上 チキPHP研究所 2008-07-16asin:4569701140Amazonで詳しく見る副題「ウェブ社会と終わりなき「キャラ戦争」」。 ネットを使う学生の実像を紹介し、インターネットと若者のありうべき関係を模索するノンフィクション。 著者は’80年代生まれで…