読書日記PNU屋

読書の記録

ゴールド

吉田重人・岡ノ谷一夫「ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係」

ハダカデバネズミ吉田 重人岩波書店 2008-11asin:4000074911Amazonで詳しく見る 体毛がなく裸、哺乳類なのに変温動物、女王制を敷く【真社会性動物】の解説と飼育裏話より成る、岩波科学ライブラリーシリーズ〈生きもの〉の一冊。 昔から、動物図鑑でこのヘ…

夢枕獏「東天の獅子 天の巻・嘉納流柔術」1・2

東天の獅子 第1巻夢枕 獏双葉社 2008-10asin:4575236373Amazonで詳しく見る東天の獅子 第2巻夢枕 獏双葉社 2008-10asin:4575236381Amazonで詳しく見る 柔術から柔道へ、そしてバーリトゥードへ…実在人物が鮮やかに舞う、闘う男列伝。 私は夢枕獏のあまり熱心…

鴨志田穣・西原理恵子「どこまでもアジアパー伝」

どこまでもアジアパー伝鴨志田 穣講談社 2004-07asin:406274810XAmazonで詳しく見る カモちゃんがタイで出会った怪人伝と、戦場カメラマンの日々を綴ったエッセイ。 いや、これがしみじみよいですわよ。よい紀行文を読むと見たこともないその土地の光景があ…

西原理恵子・ゲッツ板谷・鴨志田穣「鳥頭紀行くりくり編」

どこへ行っても三歩で忘れる鳥頭紀行 くりくり編西原 理恵子角川書店 2004-07asin:4043543085Amazonで詳しく見る 金銭欲と出世欲を浄化するため、漫画家りえぞうと夫でカメラマンのカモちゃん、友人のゲッツが異国のお寺で出家することに?!ポップかつ生々…

田中啓文「辛い飴」

辛い飴田中 啓文東京創元社 2008-08asin:4488025307Amazonで詳しく見る ジャズを愛する人々による、素敵な謎と粋な解決が見所の永見緋太郎シリーズ第二弾。 シリーズ前作「落下する緑」に比べるとミステリー色は薄らいだが、たいへん面白い小説であることは…

ゲッツ板谷「戦力外ポーク」

戦力外ポークゲッツ 板谷角川書店 2005-08-25asin:4043662076Amazonで詳しく見る↑ちなみにオビを取ると、イラストすごいことになってますから。 エキセントリックな人々に囲まれながらもカタルシスあふれるエッセイ。 わはははははは。やっぱ面白いわー。バ…

J.K.ローリング「ハリー・ポッターと死の秘宝」

「ハリー・ポッターと死の秘宝」松岡 佑子 静山社 2008-07-23asin:4915512630Amazonで詳しく見る ついに“あの人”との最終決戦へ…ダンブルドアの遺志を継ぎ、ハリーは戦う。 シリーズ最終巻である。久々に読んだが、いい感じにピンチとサプライズと感動要素と…

池井戸潤「オレたち花のバブル組」

オレたち花のバブル組池井戸 潤文藝春秋 2008-06-13asin:416326700XAmazonで詳しく見る バブル期に入行した男たちが、それぞれの危機に立ち向かう銀行サスペンス。」 「オレたちバブル入行組」の半沢ふたたび! ああ、相変わらず面白い。銀行の蘊蓄や裏事情…

福澤徹三「いわくつき 日本怪奇物件」

いわくつき日本怪奇物件福澤 徹三角川春樹事務所 2008-07asin:4758433585Amazonで詳しく見る 場所がけっこう具体的な怪談集。 著者の前書きには謙遜が入っているが、語り口がよく読めばぞくぞく面白い極上怪談集である。現場の写真も何枚か載っているが、よ…

平山夢明「怖い本8」

怖い本 8 平山 夢明角川春樹事務所 2008-07asin:4758433577Amazonで詳しく見る 極上の怖い話が書き下ろしでぎっしりという、怪談フリークにはたまらない一冊。 うわあ面白い。怖いのだが、まず面白いのだ。 何が出るのか起きるのか、夢中になって読み耽り、…

岡田斗司夫「ぼくたちの洗脳社会」

ぼくたちの洗脳社会岡田 斗司夫朝日新聞社 1998-10asin:4022612444Amazonで詳しく見る 現代日本のパラダイム・シフトをオタキングが語り、未来を生きるすべを探る本。 相方にすすめられて読んだ本だが、タイトルからオ×ム真理教の話かと思い込んでいた。読ん…

オールタイムMYベスト・ノンフィクション編

彼のお気に入りを読むのとトレード、ってわけではないんだけど私のお気に入りを彼に読んでもらうの巻。 彼:今、これ読んでいるんだけど 私:うん 彼:しょっぱい話だねえ 私:……でも、いい話でしょう 彼:しょっぱいわ 私:……(この男とは、感性が違うのだ…

中島誠之助「ニセモノ師たち」

ニセモノ師たち中島 誠之助講談社 2005-07asin:4062751372Amazonで詳しく見る テレビ「開運!なんでも鑑定団」でおなじみのおじさまのエッセイ。 鑑定師だとうっかり思い込んでいたのだが、骨董店主さんなのね。 いや、これが面白かった。優れた商人同士の密…

平山夢明「東京伝説 冥れる街の怖い話」

東京伝説 冥れる街の怖い話平山 夢明 竹書房 2008-04-25asin:4812434319Amazonで詳しく見る 常識が崩壊する狂気の世界を覗き見た人々を描く掌編集。 またもすさまじい作品が世に出た。なにしろ、ページ数にしてわずか1〜8ページぶんの文章一つ一つに、二時…

城山三郎「そうか、もう君はいないのか」

そうか、もう君はいないのか城山三郎 新潮社 2008-01-24asin:4103108177Amazonで詳しく見る 作家が語る妻との出会いと結婚生活、そして別れ。涙なしには読めないいのちのエッセイだ。 私はふだん享楽的な書物しか読まないので著者の小説を読んだことがなかっ…

伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」

ゴールデンスランバー伊坂 幸太郎 新潮社 2007-11-29asin:4104596035Amazonで詳しく見る ある日いきなり「逃亡者」になってしまった青柳。彼をつぶそうとする巨大な何かから、逃れることはできるのか。 これはサスペンスであると同時に恐怖小説だ、と言い切…

森見登美彦「有頂天家族」

有頂天家族森見 登美彦 幻冬舎 2007-09-25asin:4344013840Amazonで詳しく見る 京の町に住むあったか四兄弟と、ダメな師と妖艶な魔女の物語である。 今まで森見作品のヒロインは、女性から見ると聖性に富みすぎたありえないほど善良清純清廉潔白マドンナタイ…

平山夢明「きちがい入門」

「狂い」の構造 (扶桑社新書 19)春日 武彦/平山 夢明 扶桑社 2007-08-30asin:4594054633Amazonで詳しく見る あっ間違えた、春日武彦・平山夢明対談「「狂い」の構造」である(わざと)。上記タイトル案は通らなかったそうだが、キャッチーでよいのになぁ。な…

垣根涼介「借金取りの王子」

借金取りの王子垣根 涼介 新潮社 2007-09asin:4104750026Amazonで詳しく見る 辞めさせ屋…リストラ専門面接会社に勤める優男、真介が見た人間模様五編を収録する連作集。 「君たちに明日はない」(私の感想はこちら)に続くリストラ物語である。前作よりもパ…

近藤史恵「サクリファイス」

サクリファイス近藤 史恵 新潮社 2007-08asin:4103052511Amazonで詳しく見る 陸上からロードレースに転向した白石は、尊敬するエースのきなくさい噂を聞いてしまうが。ロードサスペンス。 今、近藤史恵がいい。日常の謎系ミステリーを感動的な連作に仕立てた…

椎名誠「たき火をかこんだがらがらどん」

たき火を かこんだ がらがらどん椎名 誠 小学館 2007-06-14asin:4093940479Amazonで詳しく見る 著者がいろいろな媒体に発表した中から自選したエッセイを一冊にまとめたもので、すんごいボリュームがある。しかし、そのボリュームながら飽きさせるところがな…

平山夢明「怖い本 7」

怖い本 7 (7) (ハルキ・ホラー文庫 ひ 1-12)平山 夢明 角川春樹事務所 2007-07asin:4758433003Amazonで詳しく見る 極上書き下ろし実話怪談シリーズ。 いや、堪能した。夏ともなれば怪談本はわんさか出るが、心底ひんやりさせてくれる本は意外なほど少ない。…

平山夢明「「超」怖い話κ」

「超」怖い話Κ(カッパ)平山 夢明 竹書房 2007-07-05asin:4812431956Amazonで詳しく見る 長らく加藤一・平山夢明の二大巨頭体制で編集されてきたチョーコワだが、ついにソロ活動となった。いちファンとして何があったのかと気をもんでいたけれど、前書きにて…

平山夢明「ミサイルマン」

ミサイルマン平山 夢明 光文社 2007-06-19asin:433492557XAmazonで詳しく見る 稀代の鬼才・平山夢明の短編集である。 日々本ばかり読んでいると凡百のストーリーに飽き飽きし、予定調和ばかりであくびが出てしまうのだが、この著者はそんな倦怠など一切なく…

皆川博子「聖餐城」

聖餐城皆川 博子 光文社 2007-04-20asin:4334925472Amazonで詳しく見る 馬の腹に縫いこめられていた赤子・アディは略奪者と獲物として、富豪ユダヤ一族の子・イシュアと出会う。二人の若者の運命は戦争に蹂躙されるのだった。ドイツ三十年戦争を一兵卒の目か…

椎名誠「草の記憶」

草の記憶椎名 誠 金曜日 2007-03asin:4906605257Amazonで詳しく見る 自然豊かないなか町で、わんぱくな子供たちは育っていく。力道三が現役で、テレビはお金持ちの家にしかなかったあの頃の懐かしき物語。 懐かしいと言っておいて私は各家庭にカラーテレビが…

佐伯一麦「石の肺 アスベスト禍を追う」

石の肺 アスベスト禍を追う佐伯 一麦 新潮社 2007-02-22asin:4103814047Amazonで詳しく見る 自らもアスベスト被害に苦しむ純文学作家が綴るノンフィクション。 この作家さんは初めて読んだが、ノンフィクションということもあってか朴訥にして真摯な作風であ…

山本弘「超能力番組を10倍楽しむ本」

超能力番組を10倍楽しむ本山本 弘 楽工社 2007-03asin:4903063089Amazonで詳しく見る 信じやすい純情な中学生・勇馬(UMA!)としっかりものの夕帆(UFO?)が、作家で物知りなパパにきく超能力番組を楽しむ方法。 やあやあ、テレビで超能力番組見るの…

有川浩「クジラの彼」

クジラの彼有川 浩 角川書店 2007-02asin:4048737430Amazonで詳しく見る 自衛隊員たちの恋愛模様をポップに描いた絶品の恋愛小説連作集。表題作ほか、「ロールアウト」「国防レンアイ」「有能な彼女」「脱柵エレジー」「ファイターパイロットの君」に「あと…

小泉知樹「彼女は嘘をついている」

彼女は嘘をついている小泉 知樹 文藝春秋 2006-12asin:4163687009Amazonで詳しく見る 夫婦仲良く、子供は可愛くて仕事も順調。幸せな生活が、他人の嘘一つで奪われるとしたら、そしてしてもいない罪を着せられ、裁かれるとしたら。こんなひどく恐ろしい目に…