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読書の記録

和田靜香「ワガママな病人VSつかえない医者」

ワガママな病人VSつかえない医者 (文春文庫PLUS 30-8)ワガママな病人VSつかえない医者
和田 靜香

文藝春秋 2007-02
asin:416771311X

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心配性の著者(音楽ライター)が病院をめぐり、横柄な医療従事者たちにユーモアでくるんだ怒りを投げつける病気エッセイ。イラストは著者によるもの。

最近わけあって医療系のエッセイをリサーチしているので読んでみた。軽妙な語り口だが、内容はけっこうエグめである。
病院マニアならば、そこへ行き着く前に健康マニアになりそうなものなんだけれど、そうならないのが人の心の不思議。
 医療者側の視点で読むと、ここまで心配性な患者さんじゃ困っちゃうなあ…と思うが、患者側からは共感できる部分も確かにあり、複雑な気分になるエッセイであった。 しかし、救急車を呼ぶほどの腹痛の原因何なん?わからなくて気にならない?

p.s.それにしても、心配なのは著者の今である。ウツがきれいさっぱり治った理由である×××様だが、その×××様はこの文庫発売後の今、大スキャンダルの最中にあるからだ。他人事ながら、大丈夫であろうかとついつい気になってしまう。