今住裕子「慶應大学病院看護婦日記」
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副題「それでも私は看護婦をやめない」。
慶大で看護師として活躍し、のちに企業の診療所へ異動(?)した著者の思い出日記である。まだ看護師が「看護婦」と呼ばれる時代のノンフィクションだ。
最近、わけあって医療系のエッセイをリサーチしているので読んでみた。「慶応」を「慶應」(難しい字の方が正式名称)と書くところに病院愛を感じるような感じないような。
とてもストレートなエッセイで、ある女優の入院をはじめ、こんなこと書いてしまっていいのか…と心配になるような医療者の本音がぎっしりである(もう少し年齢とかイニシャルとかぼかさなくて大丈夫?)。
「陰茎遭遇率」とか、医学部ではあまり見かけない単語が踊るがこれは著者の造語なのか、それとも当時ナース間で流行っていた言葉なのだろうか。
結婚相談所のくだりはナース日記としては不要だと思うが、著者の青春の1ページとして著者にとって必要な描写だったんだろう。