読書日記PNU屋

読書の記録

恩田陸「猫と針」

猫と針猫と針
恩田 陸

新潮社 2008-02
asin:4103971096

Amazonで詳しく見る


 友人の葬式後、集った人々は噂話を始めるが、そこから疑惑が立ち上がる。 
 戯曲そのままの一冊である。雰囲気はミステリアスなのだが、ミステリーかと言われたら疑問符が頭を飛びかうな。動機もタイトルも謎だし。
 途中までは続きが気になって気になって、ラストはなあんだという感じの、いつもの著者らしい一冊だ。
 芝居の脚本そのままではなくて、書籍化にあたって小説化してくれたらなあ…と思わないでもない。五人の世間話は妙に頭に残るのに、キャラとしては誰ひとり印象に残らないのは戯曲の縛りせい?んなわけないか。

p.s.長い台詞が延々続いて動きがないので、これを演じるには役者の方に相当な技量が要りそう。