読書日記PNU屋

読書の記録

読もうかなっという本

 文春連載の「生きるコント生きるコント」が出版された。演劇には興味のない私だが、雑誌掲載時にひどくひきつけられるコラムがあった。単行本化を機に、まとめて読んでみようかな。

 ココから先は、動物好きの人はなるべく読まないように。
 週刊文春二月二十一日号、第五十巻第七号の大宮エリー「生きるコント」連載73「罪滅ぼし」に薬学部の動物実験の話が出てくる。「マウスの首根っこを指でポキッ」「一度実験に使ったマウスは正確な反応が出ないのでもう使えません」(「」内はコラムからの引用)などショッキングな話題だが、ドライな動物扱いについていけぬところに、理性と感情の間で引き裂かれる悲哀を感じた。
 自分もかつて学部は違えど似たような体験をしたので、共感したのかもしれない。しかし、一度の実験で殺処分されないマウスも医学部にはいた。脊髄の実験をされたマウスが、また別の医学生の手にわたって四肢の神経の切断および再生実験に使われたりしていたのだ。もしも自分がマウスだったら、ひと思いに殺してくれた方が安らげるのか、それとも苦しくても少しでも長生き出来る方を選んだろうか、そんなことを悶々と考えてしまった。マウスは悩むことも決定権もなく、ただ人のために死んでいったのである。合掌。