加藤一「「極」怖い話」
「極」怖い話 加藤 一 竹書房 2008-03-29 asin:4812434149 Amazonで詳しく見る |
体験談だけを切り取るのではなく、話者の背景をも記録していく実話怪談集。
怖い話シリーズには老舗にして至高のブランド「超」、同著者のシリーズ「弩」などがあるが、本書は〔記録〕と銘打たれており、七編という収録作数からもわかるように一つ一つの話がやや長めになっている。
すごく斬新なネタがあるではないのだけれど、渋い怖さがある本だ。突然内臓振り乱した腐乱死者が襲ってくるような派手な話は皆無であり、地味だがじわじわと奇妙な感覚にとらわれてゆく話が多いと感じた。
話が長いのも良し悪しがあり、人によっては好みが分かれるかもしれない。私は概ね興味深く読んだが、二つほど合わないと思ったことがある。その一つは「罰」のオチ(というか、結論?)であり、もう一つは「下」のジャンル。懇切丁寧な注意書きがあったんだけれども、やっぱ読んじゃうよな。そして、案の定女性バージョンの方の話で気分が悪くなるというお決まりのコースをたどった私であった。ウンコは全く平気なんだがマ○コはダメなのな、自分は。わがままな読者だが、このジャンルだけはあの本のように単独でまとめていただけると嬉しい。
自分がなぜ〔エ口こわ〕が嫌いでフツーの怖い話が好きなのか、考えてみたが、よくわからなかった。潔癖症の一言で済ませることも出来るが、フツーの恐怖体験談には、センス・オブ・ワンダーがあると思うのね。だが工口はたとえ三次元以外の何者かがヤッたとしても、行為は行為だから生者の行うコイタスと、行為自体に何ら変わりはないのよね。いや、別にユーレイならそれなりの、生身じゃ出来ねーものすげーS▲Xしてみやがれって言うんじゃなくてね。単に私がレイによる行為記録に関心がなくて、面白いと思えないだけなんだけどねエンティティー。
p.s.猫◇ちゃんの写真は見たああああああい。