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読書の記録

西城有朋「精神科医はなぜ心を病むのか」

精神科医はなぜ心を病むのか精神科医はなぜ心を病むのか
西城 有朋

PHP研究所 2008-01
asin:4569655750

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 現在の日本における精神科の諸問題を暴露するノンフィクション。
 最近わけあって医療系の暴露本をリサーチしているので読んでみた。黒・赤・白の印象的な装丁と意味深なタイトルに騙された。騙された、というのは言いすぎかもしれない。
 医者不足、三分診療、製薬会社-医師の癒着、欧米に比べ遅れる日本の医療などなど、精神科領域に限って諸問題を医師の立場から述べる本書は貴重であると思う。
 だが、タイトルから期待する「精神科医はなぜ心を病むのか」は、「もともとの親和性」「多大なストレス」を例にあげ、サラっと流すだけで終了する。
 個人的には、タイトルは〈精神科医療崩壊〉とか〈精神科医の裏話〉なんかの方がしっくりくるんじゃないかと感じた。
p.s.著者の筆名は〈さいじょう〉ではなく〈さいき・ありとも〉と読むのだが、精神科を指す英語〈サイキアトリー〉とひっかけているわけね。巧いわね。アテクシだったら〈阿鳥 祭忌(あとり・さいき)〉とかにしたい。