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読書の記録

鳥飼否宇「官能的 四つの狂気」

官能的――四つの狂気 (ミステリー・リーグ) (ミステリー・リーグ)官能的――四つの狂気
鳥飼否宇 アランジアロンゾ

原書房 2008-01-24
asin:4562041374

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 自他ともに認める童貞変態教授が出会う4つの事件。

 (たぶん)「本格的」本格的―死人と狂人たちの続編にあたる作品だが、あいかわらずのアホらしさでよい。アランジアロンゾのイラストも可愛い。
 ただ、教授が繰り広げる推理はこじつけにしか思えないのが残念だ。理系テイスト全開なのは独特の味わいで、この著者以外ではなかなか味わえないので貴重なのだが…もうちょっと推理と現実(作品の中での)に言葉遊び以上の結びつきがあれば、大傑作になると思うのだが。
 衝撃のラストについては、こういう作品(←結末を連想させるおそれがあるので、既読の方のみ押して)を既読だと想像がついてしまうかも。
 既読の「逆説探偵」逆説探偵―13人の申し分なき重罪人にも同じ登場人物が出るなどのつながりがあるのだが、五龍神田くん以外は(名前の)印象が薄くてサッパリ覚えていない。こうした作品を越えた登場人物のつながりは、熱心なファンにはうれしいだろう。私のような濫読者には記憶力の点できついが。
 教授の変態ぶりだが、文章としてはステキにイカレているが、内容的にはTAGROの漫画「変態生理ゼミナール変態生理ゼミナール」には及ばないと思う。本書のミステリ部分ではなく、変態部分が面白かった向きには是非「変態生理ゼミナール」をオススメしたい。

p.s.××スって鳥の中では夜目がきくって聞いたことあるんだけど、ほんとのところはどうなの?×ラ×の勝手でしょ、ってか。