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読書の記録

鴨志田穣・西原理恵子「どこまでもアジアパー伝」

どこまでもアジアパー伝 (講談社文庫)どこまでもアジアパー伝
鴨志田 穣

講談社 2004-07
asin:406274810X

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 カモちゃんがタイで出会った怪人伝と、戦場カメラマンの日々を綴ったエッセイ。
 いや、これがしみじみよいですわよ。よい紀行文を読むと見たこともないその土地の光景がありありと浮かぶような気がしたり、料理のにおいまでが立ち上ってくるような気になるものだけれど、本書もそうだ。土地やモノのみならず、人間模様までも、本書にはアジアの現実がたっぷり詰め込まれている。
 巻頭から始まるサイバラ漫画は、カモちゃんの文章とは全く関係なく離婚すれすれの生々しい家庭事情をあからさまに描いているのだが、これがまたミスマッチでありながら、迫力ではカモちゃんの文章と拮抗していて面白い。あとがきにも涙。