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読書の記録

平山夢明「きちがい入門」

「狂い」の構造 (扶桑社新書 19)「狂い」の構造 (扶桑社新書 19)
春日 武彦/平山 夢明

扶桑社 2007-08-30
asin:4594054633

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 あっ間違えた、春日武彦平山夢明対談「「狂い」の構造」である(わざと)。上記タイトル案は通らなかったそうだが、キャッチーでよいのになぁ。なだいなだ「くるいきちがい考」くるいきちがい考 (ちくま文庫)の先例もあるし。

 日本の犯罪は年々ドライになっており、親が子を殺したりたいした理由もなく殺人が日常化していたりする。人がなぜそんな末期的状況に陥るのかを「めんどくさ」がる脳が引き起こす「バルンガ」病として読み解くのが本書だ。
 「異常快楽殺人」異常快楽殺人 (角川ホラー文庫)などの著者だから、歴代シリアルキラーのセレクトおよび紹介が絶妙。殺人鬼のみならず、ミートホープから風船おじさんまで世間を賑わせた困ったちゃん目白押し。
 最凶のホラーにして最高の犯罪対談だ。
 精神科学的に小難しい内容ではないのか…なんて心配は無用、流麗な平山節にのって流されてゆけばスイスイ読めてしまうから。
 続編が出ればぜひ読みたい。

p.s. 戸梶圭太提唱する「激安人間」とも相通じるものがあるかも。