吉田重人・岡ノ谷一夫「ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係」
ハダカデバネズミ 吉田 重人 岩波書店 2008-11 asin:4000074911 Amazonで詳しく見る |
体毛がなく裸、哺乳類なのに変温動物、女王制を敷く【真社会性動物】の解説と飼育裏話より成る、岩波科学ライブラリーシリーズ〈生きもの〉の一冊。
昔から、動物図鑑でこのヘンテコな生きものの姿だけは見たことがあった。だが、毛のないしわくちゃの姿や異様に小さい目、鋭く危険そうな出っ歯を見て、まあ、ぶちゃいく。とても愛せないわ〜くらいの感想しか持っていなかった。
このマイナーな生きものが颯爽と現れたのは、2008年に発売された貴志祐介の小説「新世界より」だった。そこで描かれた女王制に興味を持ち、本書を手にとった次第である。
まず、写真を見てみる。図2のケージをかじっているやつなんてスゴい。映画「遊星からの物体X」の怪物みたいである。なのに、べつやくれいによるイラストを見ているうち、なんだか愛嬌があるように見えてくるから不思議。
生態や飼育苦労話ののち、後半は研究の話題に入り少々とっつきがよくなくなるが、研究の苦労話がこれまた面白可笑しい。
早速、岩波書店のサイト
http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0074910/
にて鳴き声や動画を確認してしまった。