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読書の記録

香西豊子「流通する人体」

流通する「人体」―献体・献血・臓器提供の歴史流通する「人体」―献体・献血・臓器提供の歴史
香西 豊子

勁草書房 2007-07-17
asin:4326101741

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 副題・献体献血・臓器提供の歴史。

「人体」と、その「ドネーション」を歴史を追って考察する学術書
ふう、ふだん大衆向けエンタしか読まない自分には観念的で難しい本であった(あとがき読んだらこれ、著者の博士論文が基になっているのな!道理で難しいわけだわ)。
 一応ひととおり読了した今でも著者の意図どおりに理解出来たかどうか自信がない。
 我が国における、解剖のための献体や、献血・献眼・献腎の歴史をたどる部分はなかなかに興味深い。昔話ばかりでなく、記憶に新しい「人体の世界」展や、似て非なる「人体の不思議」展についても言及されている。
 江戸時代の首切り役人のエピソードは興味深かった。

 オンライン書店ビーケーワン」の紹介文を見たところ、

解剖体や血液、臓器といった「資源」はどのように流通し供給されてきたのか。江戸末期から現在に至る「人体」流通システムを追いながら、ヒト組織利用に関する倫理的根拠が、資源調達の経済論的帰結にすぎないことを描き出す。


だそうだが、前半はともかく後半についてはやっぱり理解できなかったかも。