大沢在昌「魔物」上・下
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マトリの大塚は、頭を撃っても死なないロシア人と遭遇する。彼にはうるう年の1日しか地上に出られない魔物が憑いていたのだった。オカルトサスペンス。
オカルトテイストなだけかと思ったら、どっぷりオカルトど真ん中のホラーアクションだった。無頼な男キャラの描写はやはり巧い。
ただ、上司や同僚がカシアンについてすんなり信じるところはちょっと信じられない。まだサイボーグとかの方が思いつくのではないか。とはいえ、ホラーの味付けをしながらも人間にとって信仰とは何か、また憎悪の行く末はどうなのかというテーマを扱っていて興味深かった。
p.s.装丁のみどころ:カバーイラストなのだが、上巻はなすりつけたかのような不定形の金色インクが乗せてあり、下巻は銀色のコウモリが飛んでいて雰囲気たっぷり。