読書日記PNU屋

読書の記録

五十嵐貴久「土井徹先生の診療事件簿」

土井徹先生の診療事件簿五十嵐 貴久幻冬舎 2008-11asin:4344015797Amazonで詳しく見る キャリアゆえ女副署長になってしまった令は、動物と話ができる不思議な獣医に出会う。連作ミステリー。 ドリトル先生みたいな設定に惹かれて読んでみたのだけど、なんと…

松岡圭祐「千里眼の教室」

千里眼の教室松岡 圭祐角川書店 2007-05asin:4043836074Amazonで詳しく見る 突如、高校国として日本から独立の名乗りをあげ、学校に籠城する高校生たち。千里眼・岬美由紀は彼らにどう対応するのか。 小学館から角川書店へリニューアル後の千里眼シリーズで…

ゲッツ板谷「出禁上等!」

出禁上等!ゲッツ 板谷扶桑社 2004-09-23asin:459404798XAmazonで詳しく見る コンサートや展覧会など文化的なナニカにひたすら体当たりしていくルポ・エッセイ。 うーぬ、文庫化を待っていたんだが、諸事情で買っちゃったよ。 (だって、今人生がマブつらいん…

鴨志田穣・西原理恵子「煮え煮えアジアパー伝」

煮え煮えアジアパー伝鴨志田 穣講談社 2005-12asin:4062751798Amazonで詳しく見る 韓国、神戸、タイ…アジア各国をさすらう、カモちゃん若き日の物語。 ちょっと下系の話や色事が増量されているんで、読者を選ぶかもしれないが、私は素直に面白いと思った。 …

吉田重人・岡ノ谷一夫「ハダカデバネズミ 女王・兵隊・ふとん係」

ハダカデバネズミ吉田 重人岩波書店 2008-11asin:4000074911Amazonで詳しく見る 体毛がなく裸、哺乳類なのに変温動物、女王制を敷く【真社会性動物】の解説と飼育裏話より成る、岩波科学ライブラリーシリーズ〈生きもの〉の一冊。 昔から、動物図鑑でこのヘ…

太田忠司「まいなす」

まいなす太田 忠司理論社 2008-11asin:4652086296Amazonで詳しく見る 女子中学生の舞は級友にせがまれ登山したところ、倒れていた男を発見する。彼は未来を見てきたと言い、不吉な予言をするのだが…。 理論社ミステリーYA!の一冊。 まじめですぐに気持ちをこ…

横山泰子「江戸歌舞伎の怪談と化け物」

江戸歌舞伎の怪談と化け物横山 泰子講談社 2008-09-11asin:4062584212Amazonで詳しく見る 歌舞伎の水中早変わり、流行った霊・妖怪etc.を解説する講談社選書メチエの一冊。 怖い話や妖怪が好きなので、なんとなく手に取った。 歌舞伎には興味なくて見たこと…

大井良「鉄道員裏物語」

副題「現役鉄道員が明かす鉄道の謎」鉄道員裏物語大井 良彩図社 2008-01-28asin:4883926273Amazonで詳しく見る 駅と電車の秘密を語るノンフィクション。 出だし、いきなり『マグロ』と呼ばれる轢死体の処理から始まる。ツカミは抜群である。美文ではないが読…

西尾維新「不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界」

不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界西尾 維新講談社 2008-12asin:4061826263Amazonで詳しく見る 臨時教員として女子高に赴任した病院坂迷路は、人気教師串中と出会うが、にわかに連続殺人事件が起きてしまう。「きみぼく」シリーズ第四弾。 低調…

そろそろランキング本の季節だが

↓こーゆーの↓ ハイ、うちはランキング本一切買いませーん。立ち読みはするかもしんないけど、買うことはもうないな。だって1位が数百票って、あーた。 絶対はずさないプラチナ本もはずれまくる私はよほど好みが特殊なんですかねえ、ランキング本の上位があ…

町田康「真説・外道の潮騒」

真説・外道の潮騒町田 康角川グループパブリッシング 2008-10-31asin:404873895XAmazonで詳しく見る 小説家にして音楽家でもあるマチーダはテレビ出演のオファーを受けるが、テレビ局側の人間は言葉は話すが話が通じないモンスターのような人格だった…。 「…

北村薫「北村薫の創作表現講義」

副題「あなたを読む、わたしを書く」北村薫の創作表現講義北村 薫新潮社 2008-05asin:4106036037Amazonで詳しく見る 早稲田大学での講義をまとめた広義の創作入門。 技術的なことというより、創作への心構えだとか創作者としての生き方を示してくれる書だと…

尾木直樹「「よい子」が人を殺す」

副題「〜なぜ「家庭内殺人」「無差別殺人」が続発するのか」「よい子」が人を殺す尾木 直樹青灯社 2008-08asin:4862280242Amazonで詳しく見る おとなしい、まじめと見られていた若者が、なぜ殺人に至るのか、事件の解説と予防策を述べるノンフィクション。 …

久坂部羊「まず石を投げよ」

まず石を投げよ久坂部 羊朝日新聞出版 2008-11-07asin:4022505109Amazonで詳しく見る 医療ミスを自ら患者に告白した医師がいるという報道に疑惑を嗅ぎとったライターの綾乃は、突撃取材を試みるが…医療系サスペンス。 評価の難しい本である。いつものこの著…

森田ゆり「子どもへの性的虐待」

子どもへの性的虐待 森田 ゆり岩波書店 2008-10asin:4004311551Amazonで詳しく見る 日本はまだまだ児童への性的虐待に甘い国だと警鐘を鳴らす新書。 データが豊富な上、著者が感情的になることなく抑えたトーンで事実を述べていくのでわかりやすく読みやすい…

島田荘司「Classical Fantasy Within 第六話 アル・ヴァジャイヴ戦記 ポルタトーリの壺」

Classical Fantasy Within島田 荘司講談社 2008-12asin:4062836904Amazonで詳しく見る 祖国サラディーンを救うため、騎士ショーンは仲間たちと決死行を続ける。 謎はいまだ多く、先の見えない展開だ。今回は(今回も?)パズル色が強いかもしれない。 次回で…

西尾維新「真庭語」  

真庭語 (講談社BOX)西尾 維新講談社 2008-12-02asin:4062836874Amazonで詳しく見る「刀語」からスピンオフの真庭忍軍物語、「蝙蝠・喰鮫・蝶々・白鷺」〜いずれも初代の物語。 「刀語」は私は、主役カップルに感情移入できなくて、ヤラレ役たる真庭忍軍のト…

2008年12月に読みたい新刊本

今年ももう大詰めだが、諸般の事情で一日一冊弱のペースとなってしまった。いや、漫画入れればね、一日で50冊とか読めるんだけどさ。一応活字ものに限ってはそんな感じ。◎絶対読む ○読みたいかな △余裕があれば ×話題になるだろうので義務的に12/13 ◎太陽…

不知火京介「ただいま」

ただいま不知火京介光文社 2008-09-20asin:4334926339Amazonで詳しく見る すこしふしぎな短編集。 思い切りトンでる話と現実寄りの話がごったになっているので、やや座り心地の悪さがあったけれど、総じてまじめで丁寧な作品集と感じた。とくに、「あなたに…

石田衣良「シューカツ!」

シューカツ!石田 衣良文藝春秋 2008-10asin:4163275002Amazonで詳しく見る 就職活動のため、大学生たちは対策チームを作った。男女七人就職物語。 自分は新卒のとき就活をしたことがないので、ほうこのようなものかー、と興味深く読んだ。 石田作品にはつき…

奈良裕明「1週間でマスター 長編小説のかたち」

「小説のメソッド3〈未来への熱と力〉」小説のメソッド〈3〉未来への熱と力 奈良 裕明雷鳥社 2006-09asin:4844134337Amazonで詳しく見る 名作映画を例にとり、カメラワークと演出を語る、小説入門第三弾。 やや誤字(誤変換?)多し。ハリポタは祖父母じゃな…

奈良裕明「1週間でマスター 小説を書くならこの作品に学べ!」

「小説のメソッド2〈実践編〉」小説のメソッド〈2〉実践編 奈良 裕明雷鳥社 2005-05asin:4844134302Amazonで詳しく見る 文豪の名作を例に、優れた小説のポイントを解説する小説入門書、第二弾。 私は不勉強ゆえ本書に挙げられた作品を一つしか読んだことがな…

牧野修「呪禁捜査官 訓練生ギア」

呪禁捜査官―訓練生ギア牧野 修祥伝社 2004-01asin:4396331452Amazonで詳しく見る 呪術が社会的に認められ、科学を時代遅れな存在に追いやるような世界。そこには、呪術を学ぶ才能ある若者たちがいた。その一人ギアは、かつて天才的魔術師に父を殺されていた…

誉田哲也「ヒトリシズカ」

ヒトリシズカ誉田 哲也双葉社 2008-10asin:4575236403Amazonで詳しく見る 警察官の娘が家出した。しかし、彼女は行く先々で黒い行動をしていた…連作サスペンス。 警察モノかと思いきや、次第に悪女モノになり、ラストひっくり返る。 惜しいのは、ヒロインの…

奈良裕明「一週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド」

小説を書くための基礎メソッド奈良 裕明雷鳥社 2003-04asin:4844134159Amazonで詳しく見る副題「小説のメソッド初級編」 監修・編集の学校小説を描きたい人へ、文章の学校講師が送る書物。 へーい、まだ小説書くのを諦めてない俺っちが懲りずに新たな入門書…

坂木司「夜の光」

夜の光坂木 司新潮社 2008-10asin:4103120517Amazonで詳しく見る 天文部の高校生たちが日常の謎を解く連作集。 うーん、最初の話が読むのきつかった。ヒロインが自分がタイヘンってことに酔っているように思えて、その実、彼女がおかれた状況は女の子ならよ…

東野圭吾「聖女の救済」

聖女の救済東野 圭吾文藝春秋 2008-10-23asin:4163276106Amazonで詳しく見る 身勝手な男が毒殺された。犯人の目星はついたが、容疑者には完璧なアリバイがあった…ガリレオ・シリーズ長編。 力の入ったミステリーである。事件自体は地味なもので、殺されても…

海堂尊「ひかりの剣」

ひかりの剣海堂 尊文藝春秋 2008-08-07asin:4163272704Amazonで詳しく見る 八十年代、医学部体育会にかける、熱い青春があった。東城大の速水と帝華大の清川、剣道大会で勝つのはどっち? 「チーム・バチスタ」シリーズのアノ人が出てきたりするので、発行さ…

辻村深月「ロードムービー」

ロードムービー辻村 深月講談社 2008-10-24asin:4062150859Amazonで詳しく見る 青春をミステリー的に書く短編集。 表題作にはヤラレた!手垢のついた使い古された手なのに、こうアッサリ引っ掛かるのは、登場人物に深く感情移入していたせいだろう。お見事。…

畠中恵「アイスクリン強し」

アイスクリン強し畠中 恵講談社 2008-10-21asin:4062150069Amazonで詳しく見る 明治の世、士族の若者たちは巡査になったり、居留地での体験を生かして洋菓子屋になったりしていた…時代もので日常の謎系ミステリーでもある連作集。 惜しいと思うのは、主人公…