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読書の記録

誉田哲也「ヒトリシズカ」

ヒトリシズカヒトリシズカ
誉田 哲也

双葉社 2008-10
asin:4575236403

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 警察官の娘が家出した。しかし、彼女は行く先々で黒い行動をしていた…連作サスペンス。
 警察モノかと思いきや、次第に悪女モノになり、ラストひっくり返る。
 惜しいのは、ヒロインの心情が今一つわからないこと…敢えてヒロインの内面描写を避けることにより、謎めいた魅力を持たせることができるし、だからこそ意外なラストが印象深くなるのだけれども。
 私には、彼女がわからない。弱いだけの善人を不幸に突き落としてみせた彼女、社会の全てを冷笑していた彼女が、なぜこのような結末を選んだのか。そこが理解できない。行間から想像せねばダメなんだろうか。緊張感があって面白い本だとは思うけれど、そこだけは強く不満。