西尾維新「不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界」
不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界 西尾 維新 講談社 2008-12 asin:4061826263 Amazonで詳しく見る |
臨時教員として女子高に赴任した病院坂迷路は、人気教師串中と出会うが、にわかに連続殺人事件が起きてしまう。「きみぼく」シリーズ第四弾。
低調。ミステリーとして見るべきところもないし、キャラの魅力も乏しい。語り手の迷路(2作目の彼女のバックアップだそうな。ところでこの作品世界における、バックアップって何ー?)が好きになれなくてつらい本だった。迷路という名ではあるが、似てもつかないんだものなあ。初代(?)は寡黙、バックアップは饒舌という対比なのか?
2作目はそれでも、主役のイヤなヤツ度をラストの衝撃でチャラにしてくれたもんだけれど、今回はそれもないのでね。ただイヤな読後感が残るね。
イヤなヤツに見合うだけの、救い無き未来…それが、作者の書きたかったことだろうか?
あ、TAGROの美麗イラストは良かったデス。
p.s.この作品が小説としてあまりエキサイティングでない(=ワクワクしない)のには変わりないのだけど、ちょっと一言。
こんな先生いるわけない!!というレビューが多いようだが、この実話系漫画によれば、男女ともにそーゆー教員は実在するそうだ。事実は小説より奇なり、を地で行く感じだな。