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読書の記録

辻村深月「ロードムービー」

ロードムービーロードムービー
辻村 深月

講談社 2008-10-24
asin:4062150859

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 青春をミステリー的に書く短編集。
 表題作にはヤラレた!手垢のついた使い古された手なのに、こうアッサリ引っ掛かるのは、登場人物に深く感情移入していたせいだろう。お見事。
 残りニ編は、ミステリー色は薄く、いい話だがよくある話でも、ある。しかし、あれなのか?これも著者の既刊と世界を分かち合っているのか?今までがそうだったんだし、仕掛けがないわけがないよな。一応単行本化された作品は全部読んでいるが、リサイクルに売ってしまって手元にないし、記憶力のおぼつかない読者である私のこと、誰が誰なのかさっぱりだったよ。あとでSくんとかHちゃんについて調べてみなければ。
追記〜「冷たい校舎の時は止まる」冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)のスピンオフなのか。数年前に読んだが、もうはるか記憶の彼方。
 以前、村上春樹の某短編(某って書くのは、タイトルを覚えていないからなんだぜ)に、すごい読書家の女性が青春時代を本に捧げてきて、初老になってふとかつて読んだはずの本を手に取ったらあんまし覚えてなくて、読書って、いったい…?!みたいな話があったと思うのだが、私もその域に近づきつつあるか。