読書日記PNU屋

読書の記録

坂木司「夜の光」

夜の光夜の光
坂木 司

新潮社 2008-10
asin:4103120517

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 天文部の高校生たちが日常の謎を解く連作集。
 うーん、最初の話が読むのきつかった。ヒロインが自分がタイヘンってことに酔っているように思えて、その実、彼女がおかれた状況は女の子ならよくあるもので、それほどタイヘンなわけでもなくて。しかも謎が魅力的ではない(注:私にとって)ため、退屈で仕方なかったのである。
 しかし、もう一人のヒロインの状況は掛け値なしに大変なもので、彼女のおかげで本書を投げずに読了することができた。彼女の事情がなければ、ヒマが高じて学内スパイごっこにうつつをぬかすイタイ高校生物語だと思って読むのをやめていただろう。
 冒頭いつもスパイごっこから入るのだけど、私にはこれはあまり効果的でないように感じられるのだが…この辺は好きずきか。
p.s.それぞれワケありの高校生たちは、忙しいからヒマな部活をと天文部に入部しているのだが、この学校には『帰宅部』はないのだろうか。何かの部活に必ず入部しなきゃいけない校則でもあるのか。