海堂尊「ひかりの剣」
 | ひかりの剣 海堂 尊 文藝春秋 2008-08-07 asin:4163272704 Amazonで詳しく見る |
八十年代、医学部体育会にかける、熱い青春があった。東城大の速水と帝華大の清川、剣道大会で勝つのはどっち？
「チーム・バチスタ」
デビュー作以降この著者の小説でスッキリ気に入るものが、私にはなかった。小さな心情的違和感が気になったり、ストーリーに無理や都合の良さを感じたり…。むろん、単なるエンタメに終わらず検死制度に物申したりなど社会的主張を作中にこめているので、そうなってしまうのかもしれないが。
ギョーカイものだし人気作で話題になるので読んできたが、このままだといずれ私は読まなくなるかもしれないな。そんなことを思いながら手にとった本書だが、フツーに楽しかった。
真面目一徹じゃあない愛すべきダメ学生、その中でも要領の良いヤツ…など、かつて見知った医学部体育会がリアルに描写されていて、過ぎ去った青春時代への郷愁を誘う。結末も予想はつくが納得のいくもので、シリーズにつなげちゃうところが豪腕だ。
p.s.その1。医学部は確かにアホほど体育会系の部活が盛んであった。武道系は大学講義をさぼって練習することを強要されたほど。
p.s.その２。キャラの立ったスポ根モノなので、イメージが万城目学「鴨川ホルモー」とかぶった。ちなみに私は剣道についてほとんど何も知らないので、剣道をやってる人がこの作品をどう思うかは知らない。
p.s.その３。すげーばからしいことを承知で書くが、胴着って全裸で着るモノ？弓道では下着つけるが。下着の種類までは書いてないから、アンダーシャツを脱いだということで、下は穿いてたでFA？「ブラックペアン1988」
