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読書の記録

畠中恵「アイスクリン強し」

アイスクリン強しアイスクリン強し
畠中 恵

講談社 2008-10-21
asin:4062150069

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 明治の世、士族の若者たちは巡査になったり、居留地での体験を生かして洋菓子屋になったりしていた…時代もので日常の謎系ミステリーでもある連作集。
 惜しいと思うのは、主人公よりも重要な役割と感じられる、ヒロインとその父があまり魅力的でないことかな。魅力がない、とは言わないが、どうにもパターンで。主人公とその友人たちも、人数がいる割りには個性が薄いような気もする。
 悪くはない、そこそこ楽しめるのだが、それ以上のパトスがないと言うか…そう言うのは読み手の贅沢なんだろうか?
 お菓子つながりのミステリーなら、(こちらの舞台は現代だが)近藤史恵「タルト・タタンの夢」タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ)や上田早夕里「ショコラティエの勲章」ショコラティエの勲章 (ミステリ・フロンティア 44)の方が好きかも。