町田康「真説・外道の潮騒」

真説・外道の潮騒 町田 康 角川グループパブリッシング 2008-10-31 asin:404873895X Amazonで詳しく見る

　小説家にして音楽家でもあるマチーダはテレビ出演のオファーを受けるが、テレビ局側の人間は言葉は話すが話が通じないモンスターのような人格だった…。
「実録・外道の条件」を私は未読なんだが、本書から読んでも楽しめた。
　現実のやりきれなさを薄めるために、マチーダが繰り出す空想連想言葉のマシンガンがすごい。ただ、ストーリーとしてはしょうもない人物がしょうもないことを繰り返しマチーダあきれる、がラストまでひたすら繰り返されるだけなので、やや単調というか盛り上がりに欠けるかもしれない。