絲山秋子「北緯14度」
北緯14度 絲山 秋子 講談社 2008-11-21 asin:4062150905 Amazonで詳しく見る |
小説家、セネガルへ行くの巻。
私はドゥドゥのことも全然知らないし、アンチスモークだし、セネガルに興味もないし、おまけに著者のファンってわけでもないが、楽しめた(←じゃあ、何で読んだんだ!!ときかれたら、なんとなく?と言っておく)。
多言語で話す人のアタマの馴染み方とか、お国柄の違いが、陳腐な言い方しかできなくて申し訳ないけど、鋭い感性で綴られていくのだ。川上弘美「東京日記」でも似たようなことを感じたが、凡人には想像すらできぬ、作家ならではの細やかさが本書のそこここにあった。
でも、下痢とその女性的対処が詳細に描かれているのは勘弁な。
とても私的な旅行であって、読者がヴァーチャル・セネガル旅行できるような感じではないのだけれど、だからこそ、その土地の人々の魅力が立ち上がってくるように思う。