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読書の記録

清原康正「小説を書きたい人の本」

小説を書きたい人の本―好奇心、観察力、感性があれば、小説は書ける!小説を書きたい人の本
清原 康正

成美堂出版 2005-05
asin:4415029833

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 小説教室で長年生徒指導をしてきた著者が、小説の基本と書き方のノウハウ、新人賞への応募の仕方などを、指導例を交えて語る入門書。
 さて、不惑を前にして小説を書いてみたくなった俺様が、まずはカタチからってことで入門書読んでみましたよ。最初は漫画で行こうと思ったんだが、絵はちっともうまくならんし背景ってやつが描けないので、小説ならなんとかなるんではないかっつーあさはかな考えなわけだよ。だが、ヒロインが登場するシーンでしょっぱなから“彼女はまだ十代半ばくらいだろうか、輝く金髪に北欧系の血を思わせる淡い碧眼をし、肌の色はアラバスターのようだった。彼女はほっそりとした肢体をまるで新世紀エヴァンゲリオンのプラグスーツのごとき、ボディラインを露にするエナメル質の服に包んでいた。”とか言ってっとね、いつまでも進まないんだよ物語が。このヒトは誰でどんな見てくれのヒトなのか、いつどこにいんのか、でもって場面転換はどうすればよいのかちっともわからないわけなんだよ。ト書きみたいな素っ気ない箇条書きならできんだけど、それじゃ小説にならないんだよな。
 前置きが長くなったんで本題に入ると、本書のいいところは添削実例集だね。あ、こりゃアレだわってのがわかって興味深い。 
 三人の人気作家インタビューもあるんだが、三人とも私の好きなタイプの小説じゃないから感想はパス。
 あと、本書の副題は「好奇心、観察力、感性があれば、小説は書ける!」なんだけれども、感性が一番の難所だと思うなー。前二つは努力でなんとかなりそうだが、感性はな。
 まあ、こーゆーノウハウ本の効能は読者をいかにその気にさせるかってことだろうから、そういう効果はあるかも。ただ、数年前の本だから紹介されてる文学賞の中には、もう消滅しちゃったやつもあるよ。あと、図表やイラストはこんなになくてもよいとオモ。