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読書の記録

江坂遊「鍵穴ラビリンス」

鍵穴ラビリンス (講談社ノベルス エA- 4)鍵穴ラビリンス
江坂 遊

講談社 2008-10-07
asin:4061826174

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 ブラックユーモアの利いた不条理ショート・ショート集。奇想幻想中心で、いろいろな国や時代を舞台にしているのだが、やや考えオチが多めかもしれない。
 私にはトホホに思える退屈な話とそうでもない話がくっきり分かれて非常に評価の難しい本となったが、星新一への思いを記す「あとがきにかえて エッサカ、ホイ」がしみじみ良かったのでオマケということで。
 本書は男女の駆け引きやありえないシチュエーション、激しいだじゃれが多いので、私の印象では星新一より阿刀田高バリー・ユアグローよりな気がする。
「帰缶」「早すぎる収穫」「首茸」「風の秘密」「黒い腕時計」「電気コンセント」「トロピカルストローハット」のような、グロテスクの中にユーモア薫るタイプの話は好きかも。