梶尾真治「アイスマン。ゆれる」
アイスマン。ゆれる 梶尾真治 光文社 2008-03-20 asin:4334926002 Amazonで詳しく見る |
病身の母を支えて暮らす女性には、特殊な力があった。せつない風ラブストーリー。 読みやすいし物語の引きもなかなか。しかし、ラストが見え見えの予定調和だったりとか、ヒロインはなんで友人に事情も説明せずグダグダ悩んでいるのかなど読んでいて苛々してしまった。
ヒロインが我を押し殺す古風なタイプなのが読んでいて感じるストレスの原因。おバカさんだけど周りが助けてくれました、では私は感動することはできない。自分を大切にできない人が、どうして他人を大事にできるというの?
そして女性キャラは古いしひどい。昭和初期のごとき思考回路で生きるヒロインもアレだが、選択・思考を放棄し怠惰に他人任せの楽な道を突き進む女友達その1や、自分が大事すぎて過大なプライドを守るのに必死な、同じく愚かな女友達その2も好きになれなかった。
カジシン小説なら、コメディの方が好きだなあ。