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読書の記録

泡坂妻夫「卍の魔力、巴の呪力」


卍の魔力、巴の呪力
泡坂 妻夫

新潮社 2008-04
asin:4106036029

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 羽が桜の花びらになった蝶、稲妻の翼なびかせる鶴、身体に牡丹の花開く蟹。これらはファンタジー世界の住人ではなく、実在する紋章なのだ。
 推理作家兼マジシャン、紋章上絵師でもある著者の紋章の由来と図案解説書。紋章の描き方や紋章マジックまで盛りだくさんな内容だ。
 ああ面白かった!デザインに興味のある人ならめっちゃ面白いと思う。
 家紋大好きな私は婚家の家紋が可愛くなかったことにがっかりしたのだが、代々伝えられる家紋以外に好みで替紋を選んでもよいそうなので、本書の中から私も選んでみた。
ラブリー枠《三つ雁金に左三つ巴、浪に千鳥、浪に燕、梅鶴、蝙蝠、真向き兎、光琳鶴の丸、脹ら雀、丸に変わり銀杏鶴》
イカス枠《違い龍の爪、抱き角、板倉巴、揚羽蝶桜、雲に御幣、柏蝶、蟹牡丹、百足の丸、下り亀》
ビューティー枠《浪巴、三つ割り浪、九曜桜、梅の枝丸、檜扇》
 うわー、どれも素敵で絞れないや。
 美しく洒落た紋章を見るにつけ、日本文化がいとおしくなるなあ。

p.s.本とは関係ないけれど、家紋のサンプルが見られるサイト↓
http://www.asgy.co.jp/index.html