ゲッツ板谷「BESTっス！」

BESTっス! ゲッツ板谷 小学館 2007-08-22 asin:4093876673 Amazonで詳しく見る

　愉快な家族と仲間たちのおまぬけな日常を描くエッセイ傑作選に書き下ろしを加えた本。
　私が本書を手に取ったのは、図書館でこの本を見かけ、あの数年前にやたら「ゲッツ！」と言っては一世を風靡した芸人のエッセイと勘違いしたからであった。同じ所属事務所のヒロシやカンニングの秘話が読めると思った私は、本書のグラビア１ページ目で自分の間違いに気付いた。こんなアホな理由で本書を読もうとする人間は日本で私だけではないのか… 強烈な敗北感にさいなまれつつ読んだらこれが面白い。
　このヤバ面白さ、どっかで既視感があると思ったら、あれだよ戸梶圭太小説のハチャメチャ感だっ！
　そして、マンガに例えるならヤンマガっぽい。エリートヤンキー三郎やアゴなしゲンとオレ物語を地でいっているようだ。　
　倫理的にどうかという話も多いし、性の話題はエグくて引くのだが、語り口が流暢でノリがよいのでスイスイ読める。笑い中心ながら、男の友情物語には思わず感動を覚えたりもした。本書で西原理恵子のことを知ったから、今度彼女の著作にもチャレンジしてみようと思う私であった。