西尾維新「傷物語」
傷物語 (講談社BOX) 西尾 維新 VOFAN 講談社 2008-05-08 asin:4062836637 Amazonで詳しく見る |
植物になりたいと願う阿良々木暦が出逢ったのは、凄絶なまでに美しい金髪の吸血鬼だった!
「化物語」 の前日譚。
いいわぁ。パンチラの描写が粘っこく続く導入部こそは困り果てたけれど、不死者同士の超絶グロテスクバトルと、小中学生レベルままごと的超くすぐりエロスが融合して、実に気恥ずかしい青春バトルストーリーに結実していて、読んで悶絶。
私は前作(とはいえ、時系列的には後だが)「化物語」よりも、本書のが好きだわ。 キュートとグロが両立した、素敵にキッチュな小説と言えるだろう。
p.s.余談だが、キスショットの一人称が「膿」で語尾が「〜じゃ」なので、つい「天天」の真夜のイメージで読んでしまったよ。
p.s.その2 萌えを全面に織り込んだいかにも現代的な小説でありながら、「吸血鬼」の設定が中世の版画に描かれるソレ(☆)そのものとクラッシックなところがミスマッチで面白い。
(☆)血をすするだけでなく、肉も食らう吸血鬼(人狼タイプとして描かれることが多い)