有栖川有栖「壁抜け男の謎」
壁抜け男の謎 有栖川 有栖 角川グループパブリッシング 2008-05-01 asin:4048738461 Amazonで詳しく見る |
推理あり、幻想小説ありのノン・シリーズ短編集。創作の裏側がわかるあとがき(自作解説)つき。
他のアンソロジーで既読の話が数篇あったけれども、自分は月日とともに記憶のキャッシュがクリアされるリーズナブルな脳味噌を持っているので問題ないのだった。
全般的にライトであっさりした話が多かった気がする。好みなのは「ガラスの檻の殺人」や「キンダイチ先生の推理」といったバリバリの推理物と、「屈辱のかたち」のように創作と批評の関係性が興味深い小説かな。ノン・シリーズで終わらせるには惜しい登場人物もちらほら。