読書日記PNU屋

読書の記録

コッパー

鳥飼否宇「爆発的」

爆発的 七つの箱の死鳥飼 否宇双葉社 2008-06-17asin:4575236209Amazonで詳しく見る 酔狂な金持ちが作ったけったいな美術館に住み込むのは、変態的な現代芸術家たち。血塗られた連作ミステリー。 推理部分がどうとかは置いといて、アーティストたちの変態ぶ…

近藤史恵「ヴァン・ショーをあなたに」

ヴァン・ショーをあなたに近藤 史恵東京創元社 2008-06asin:4488025293Amazonで詳しく見る フレンチレストラン、ビストロ・パ・マルの三舟シェフは、卓越した料理の腕と推理能力を持っていた!日常の謎系ミステリー。 コース(一冊)にはさまざまな趣向こら…

小川道雄「医療崩壊か再生か 問われる国民の選択」

医療崩壊か再生か小川 道雄日本放送出版協会 2008-05asin:414081294XAmazonで詳しく見る 医療の現状と医療政策の問題点を医師の目から語るノンフィクション。豊富な事例や図表を用いたわかりやすい本である。 私は医療崩壊に興味があって関連書籍を何冊か読…

椎名誠「ニッポンありゃまあお祭り紀行」

ニッポンありゃまあお祭り紀行椎名 誠カラット 2008-03asin:4898149162Amazonで詳しく見る ありゃまあと叫びたくなる祭を求めて日本を巡ったカラー写真満載の一冊。 まずタイトルを見たとき、みうらじゅん「とんまつりJAPAN」とかぶっているのでは?と心配し…

町田康「破滅の石だたみ」

破滅の石だたみ町田 康角川春樹事務所 2008-06asin:4758411123Amazonで詳しく見る 日常エッセイと本の解説、PCソフトとの格闘記を収録した本である。 とくに日常を描いた前半が面白かったかな。私は享楽的な本しか読まないせいか、著者が紹介した数々の名著…

稲川淳二「稲川淳二の霊談」

稲川淳二の霊談文苑堂 2008-07-17asin:4904293002Amazonで詳しく見る 怪談と言えばこの人!稲川淳二怪談傑作選に読者投稿譚を加えたものである。 著者の本を読みふけっている私には知っている話が多かった(新作怪談は少なかった)が、イメージ写真やコミッ…

犬チチ

しゃべる犬 カイくんのひとりごとワニブックス 2008-02-23asin:4847017625Amazonで詳しく見る ソフトバンクのあの犬が本になった! かわいいかわいい一冊である。写真は犬が都会をフラフラするのだが、もっと犬の魅力を出すなら野山を駆け巡らせた方がよかっ…

妄撮

妄撮 モーサツTommy(写真)講談社 2008-06-12asin:406307757876Amazonで詳しく見る 私、女ですが何か。 いや、同人マンガの下着本用資料に買ったんだってば。マジマジマジで。 けっこう出てすぐ、品薄になる前に買ったんだがものぐさゆえ感想を書くのを今まで…

加藤一・編「「超」怖い話超‐1怪コレクション」

「超」怖い話 超‐1怪コレクション加藤 一 竹書房 2006-09asin:4812428718Amazonで詳しく見る ネットで公開された公募怪談から優れた人気作品のみ選り抜いた一冊。 結論から言うと、なかなか面白かった。ピン名義の新人作品集があまり好みじゃなかったので長…

クリフ・マクニッシュ「暗黒天使メストラール/ANGEL」

暗黒天使メストラール金原 瑞人 松山 美保 理論社 2008-05asin:4652079303Amazonで詳しく見る 天使に魅せられた少女フレイアの青春とスーパーナチュラルな存在との交流物語。 ちょっぴり映画「ベルリン天使の詩」みたいなイメージのファンタスティックな小説…

岸田るり子「めぐり会い」

めぐり会い岸田 るり子徳間書店 2008-05-16asin:4198625271Amazonで詳しく見る 愛なき結婚をした華美は、ふと手にしたデジカメに残っていた少年の画像に惹かれていくが。ロマンチック・ミステリー。 推理小説というより恋愛小説といった趣だが、ラストで広義…

柴田よしき「謎の転倒犬 石狩くんと(株)魔泉洞」

謎の転倒犬柴田 よしき東京創元社 2008-05asin:4488012108Amazonで詳しく見る 就職氷河期に奮戦する大学生が超有名占い師にスカウトされてしまい…!?日常系ミステリー。 各短編のタイトルが素敵。まじめな石狩くんと豪放磊落なユーレさんの微妙な関係が大き…

松尾由美「人くい鬼モーリス」

人くい鬼モーリス松尾 由美理論社 2008-06asin:4652086261Amazonで詳しく見る アルバイト先で出会った不思議なモンスターは、大人には見えない存在だった。ファンタジック・ミステリー。 理論社ミステリー YA!の一冊。挿画がイメージぴったりで大変美しい。…

森博嗣「銀河不動産の超越」

銀河不動産の超越森 博嗣文藝春秋 2008-05asin:4163270701Amazonで詳しく見る まじめな青年が入社したのは銀河不動産という不動産屋だった。欲のない青年と顧客の織り成す連作集。 とくにヤマ場があるでもなく淡々と進行してゆくのだが、嫌な人物が一人も出…

平山夢明編著「「超」怖い話M」

「超」怖い話M(ミュー) 平山 夢明竹書房 2008-07-07asin:4812435323Amazonで詳しく見る 久田樹生、松村進吉との共著にして、平山版チョーコワの最終巻。 実話怪談の魅力の虜となって読み続けてきた身には最終巻のお知らせに寂しさを覚えるが、チョーコワ・ブ…

西尾維新「きみとぼくが壊した世界」

きみとぼくが壊した世界西尾 維新講談社 2008-07asin:406182600XAmazonで詳しく見る 推理の依頼を受けてロンドンへ旅立つことになった病院坂黒猫とツレの物語。 章ごとにびっくりとがっかりとどっきりが入り交じる、萌え萌え実験ミステリー。ちょっと【コレ…

有栖川有栖「鏡の向こうに落ちてみよう」

鏡の向こうに落ちてみよう有栖川 有栖講談社 2008-05-22asin:4062144662Amazonで詳しく見る ミステリーから阪神タイガースまで、人気推理作家が語り尽くすエッセイ集。 台湾ミステリー行の記述が貴重。日々のよしなし事まで興味深く読ませてしまうのは、さす…

馳星周「やつらを高く吊せ」

やつらを高く吊せ馳 星周講談社 2008-05asin:4062147092Amazonで詳しく見る 生まれついてのピーピング・トムが何の因果か金貸しの手先。化かし化かされの連作サスペンス。 謎がなければ生きていけない男と怜悧な守銭奴が手を結び、ターゲットの秘密をえぐり…

セバスチャン・フィツェック「前世療法」

前世療法赤根洋子 柏書房 2008-05-21asin:4760133488Amazonで詳しく見る 生まれる前に起きた殺人の犯人は自分だと言い張る少年。彼の弁護を引き受けた弁護士が巻き込まれていくサスペンス。 相変わらず精神科ネタで引っ張ってはいるが、バタバタと次々起こる…

稲川淳二「新 稲川淳二のすご〜く恐い話 連れてけや」

新稲川淳二のすご~く恐い話連れてけや稲川 淳二リイド社 2008-06-16asin:484583233XAmazonで詳しく見る 夏といえばお決まりの稲川怪談! 巻を重ねながらいつも通りのクオリティを保っているところが、さすがは怪談のプロ。よくあるタイプの話でも語り口によ…

桐野夏生「東京島」

東京島桐野 夏生新潮社 2008-05asin:4104667021Amazonで詳しく見る 夫婦が難破してたどり着いたのは無人島だった。さらにそこへ若者たちが流れ着き、島は混沌の様相を呈していく。 若い男たちの中に四十代の女性がひとりという設定にエログロなのでは?と恐…

信田さよ子「加害者は変われるか? DVと虐待をみつめながら」

加害者は変われるか信田 さよ子筑摩書房 2008-03asin:4480842837Amazonで詳しく見る DVと虐待中心に人は変わるために何をしたらよいのかを模索してゆく本。 タイトルの事象が出てくるのが、後半をはるかに過ぎたところというのがちょっとアレだが、DVに悩む…

山口雅也「ミステリーズ《完全版》」

ミステリーズ―完全版山口 雅也講談社 1998-07asin:4062638290Amazonで詳しく見る まるで一枚のレコードのように組まれたサスペンスフルな短編集。 カバー画がイメージぴったりで実にいい。 長らく積ん読状態だったのをやっと読んだ。いわゆる推理小説として…

加藤一・編「恐怖箱 黄昏の章」

超-1 怪コレクション 黄昏の章加藤 一竹書房 2007-09-27asin:4812432405Amazonで詳しく見る 「超-1コレクション」の一冊。複数著者による、怪談集の意欲作。 私は長らく超-1に注目しないでいて、それは最初期にウェブで5,6篇読んだ新人による投稿作があ…

ナムコ・ナンジャタウン「あなたの隣の怖い話コンテスト」事務局 編「怪談本当に起きた話」

怪談 本当に起きた話「あなたの隣の怖い話コンテスト」事務局 二見書房 2008-05-30asin:4576080741Amazonで詳しく見る 長く続いている怖い話シリーズ。 ここんとこ数作はパワーダウンかなと感じたが、本書は数篇のありふれた話を除けばまあまあ良かった。最…

小杉好紀「もうがまんしない!この生理痛、あの不調」

もう がまんしない!この生理痛、あの不調小杉 好紀集英社 2006-06-23asin:4087813487Amazonで詳しく見る ウィメンズクリニック南青山院長による女性の健康管理啓蒙書。 子宮内膜症を中心に症状、検査と治療をわかりやすく説いている。生理痛に悩む患者のケー…

有栖川有栖「朱色の研究」

朱色の研究有栖川 有栖角川書店 2000-08asin:4041913047Amazonで詳しく見る 火村の教え子から持ち込まれた相談。アリスと火村が呼び出されたマンションには、死体が転がっていた。 朱色に彩られたミステリー。美しい。容疑者は早い段階でかなり絞られるし、…

山口雅也「マニアックス」

マニアックス山口 雅也講談社 2003-05asin:4062737558Amazonで詳しく見る 収集家や映画界にまつわる怪奇短編集。MARK BEYERによるカバー画がイメージにぴったり。 「映画狂たち」については、同ジャンル…映画界隈の凄絶なまでに美しすぎる怪奇幻想小説の騎手…

折原一「101号室の女」

101号室の女折原 一講談社 2000-07asin:4062649292Amazonで詳しく見る サプライズとドライでニヒルな作風光るミステリー短編集。 ブラックでありながら、どこかユーモラスで翻訳モノのごときライトな持ち味がくせになる一冊。結末の予測できてしまう話もある…

植木誠「「あっ子の日記」の大波紋」

「あっ子の日記」の大波紋植木 誠教研学習社 1995-06 asin:4905717140 Amazonで詳しく見る 副題「医療系女子学生たちの死生感」。 白血病のため、十一歳の若さで亡くなったあっ子ちゃんは日記を書き残した。父親である著者はその日記を出版、マンガ化・映画…