平山夢明編著「「超」怖い話M」
「超」怖い話M(ミュー) 平山 夢明 竹書房 2008-07-07 asin:4812435323 Amazonで詳しく見る |
久田樹生、松村進吉との共著にして、平山版チョーコワの最終巻。
実話怪談の魅力の虜となって読み続けてきた身には最終巻のお知らせに寂しさを覚えるが、チョーコワ・ブランドは後進によって語り継がれ、平山氏も新たなる実話怪談を描いてゆかれるのであるからそんなに悲しむことはないのかもしれない。
ぶっちゃけ、本書は数多の怪談を読んできた自分からすればオチが読めたりする話が多かったのだが、それで油断してたらラストにがつんと衝撃が。「塚崩し」で震えあがって、「サブちゃん」でほっこり。いやー、すごい話だわあ。
松村氏の話はわりと好きかも。久田氏の作品もそうなんだけれども、(私の頭脳のせいかもしれないが)状況描写のわかりにくいところがあって、それが解決したらヒップでエッジのきいた話に化けるんじゃないかと思った。
ラストの他に印象に残った話はSFちっくに物悲しい「ありがとう」、彼氏がいい味出してる「あおる」、p130の7行目が、奇遇にも私が人生で初めて死体を見た時の所感と同じであった「雑草鬼」、気持ち悪さが素敵な「逃走」。