セバスチャン・フィツェック「前世療法」
前世療法 赤根洋子 柏書房 2008-05-21 asin:4760133488 Amazonで詳しく見る |
生まれる前に起きた殺人の犯人は自分だと言い張る少年。彼の弁護を引き受けた弁護士が巻き込まれていくサスペンス。
相変わらず精神科ネタで引っ張ってはいるが、バタバタと次々起こる災難に一気読みさせられる。この展開の早さとトラブルぶりはなんかに似ているな、と思ったらシドニィ・シェルダンだった。
ラストのちょっとした奇跡はいかにもゴットおわす国らしきオチで、せっかくここまできれいにまとめて来たのに…と思うと興ざめではあるが、一作品ごとに伸びが見られる新人ゆえに次回作にもさらなる飛躍を期待したい。
p.s.ドイツ語の原題のシンプルさときたら!日本版もそれで出せばよかったのに。