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読書の記録

東野圭吾「ガリレオの苦悩」

ガリレオの苦悩ガリレオの苦悩
東野 圭吾

文藝春秋 2008-10-23
asin:4163276203

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 警察の捜査に協力する科学者・湯川の推理がキレる!ガリレオシリーズの短編集。
 私は「容疑者Xの献身容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7)以外のガリレオシリーズを面白いと思ったことがなかった。しかも本書ではドラマオリジナル(私はドラマは未見)のキャラまで新登場というから、いかがなものかと思ったら、これが面白かったのだ。
 初期ガリレオは、やたら理屈を前面に押し出したパズルかクイズのような無味乾燥感があったのだが、前述した「容疑者〜」から人情節が板についてきて(今回もトリックは別として、読後感の似た短編がある)、本作で花開いたように思える。
 科学トリックも専門化してきて、初回「探偵ガリレオ探偵ガリレオ (文春文庫)では八割ほどネタを見抜けたプチ理系な私も、今回の様々な趣向には充分に驚かされた。高度先端科学だけではなく、身の回りネタもブレンドされているのが、また一興。
 どれも粒ぞろいで面白いが、私的イチオシは「操縦る」。「容疑者X」ファンには特にオススメ。