石持浅海「ガーディアン」
ガーディアン 石持浅海 光文社 2008-08-21 asin:4334076769 Amazonで詳しく見る |
父を喪った娘には、絶対的な守護神が宿った…サスペンス&ミステリー。
亡き父が家族を守るというと加納朋子「ささらさや」を想起するが、こちらはあちらと違って過剰防衛で人を死に至らしめるのだからおぞましい。私は最初のミステリー色の濃いところが好きだったなあ。ちゃんとサプライズもあったし。
前半の緻密さに比べ、やや荒い展開になる後半は、「耳をふさいで夜を走る」でもそうだったが、個人的な好みで美少女に心狂う男性視点の小説が私は嫌いなんで、ついていけなかった。筒井康隆「七瀬ふたたび」みたいに、特殊能力を持ったヒロイン視点だったら好きになれたかもしれない。ヒロインの友人は存在感薄い。
過剰防衛がさらにエスカレートした理由も明かされないし(孫が可愛いから?)、なんだか不完全燃焼感のあるラストなのだが、続編はあるのかしらん。そして誰もいなくなった的ラストまで突き進んで、一冊にドンとまとめてほしかったような気もする。でもっそれじゃ乙一の某短編と同じか。
p.s.結局、ガーディアンは荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」で言うところの、防御型スタンドってことでFA?