小林照幸「ドリームボックス 殺されてゆくペットたち」
ドリームボックス 小林 照幸 毎日新聞社 2006-06 asin:4620317683 Amazonで詳しく見る |
動物愛護センターの名とは裏腹に、毎年数十万の犬猫を殺処分してゆく現実に苦悩する、獣医師の物語。
表紙が写真なのでノンフィクションかと思ったら、事実をモデルにした小説であった。しかし、ノンフィクションと言っても通るくらいのリアルさがあって引き込まれる。小説仕立てで日本のペット界隈の問題点や殺処分の歴史と現状をわかりやすく説明する手腕が見事だ。ラスト安易な救いで終わらなかったことも高く評価したい。
ぜひ若い人に読んでほしい本である。でも、私みたいなペットを飼えない動物好きが読むより、軽い気分で飼っては棄てるような人にこそ読まれるべきなんだろうな。