木原浩勝「隣之怪 蔵の中」
隣之怪 蔵の中 (幽BOOKS) 木原浩勝 メディアファクトリー 2008-06-18 asin:4840123403 Amazonで詳しく見る |
新耳袋の著者のひとりによる、ソロ実話系怪談集第二弾。
オチがきれいにつきすぎて、ちょっとヤリすぎでないの?と思うネタ(「四人目」「桜の墓」)もあるが、基本的にはほのぼの系が(とくに後半)多くて読後感はよい。そのぶん、衝撃度や恐怖度は前作よりも劣るかもしれない。
読みやすさ・わかりやすさは前作よりもだいぶ改善されてはいるが、老若男女から聞き書きしたスタイルにしては口調(文体)がみな同じなので読んでいて単調に感じられることと、今回もまたシリアスな部分で三ヶ所ほど誤植があるのは残念だ。
面白いネタもあるので、もっと語り口のテンポがよければなあと思う。そこら辺は次回作に期待したい。