法月綸太郎「犯罪ホロスコープⅠ 六人の女王の問題」
犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題 法月 綸太郎 光文社 2008-01-22 asin:4334076661 Amazonで詳しく見る |
名探偵・法月綸太郎が星座にちなんだ事件の謎を解きまくる短編集。
収録作のうち二編はアンソロジー本で既読だったが、なかなか楽しめた。
出色の出来と感じたのも既読だった二編で、すなわち「ゼウスの息子たち」と「ヒュドラ第十の首」である。盲点をつく大胆な設定やこまやかな気配りが感じられ、絶品。 あとの作品もそこそこ面白いのだが、唯一いただけなかったのは「鏡の中のライオン」だ。被害者が獅子座的性格であることがこれでもかと強調されるのが、なんだか非科学的な捜査陣で違和感を覚えた。しかし著者「あとがき」を読んで納得。この作品だけ無理をなすったのね。ムサくるしくても私は全然かまわないのだが。
ともあれ、残り六星座にまつわるミステリーも楽しみに待ちたい。
p.s.占い方面を好まない私は文中に出てくる獅子座のマークに似たピアスが全く想像出来なかった。携帯電話の「ししざ」変換候補で見てわかったけれど、星座のマークって一般常識?