「妖怪変化 京極堂トリビュート」

妖怪変化 京極堂トリビュート 西尾 維新 あさの あつこ 諸星 大二郎 講談社 2007-12-14 asin:4062144751 Amazonで詳しく見る

　京極夏彦・著の人気シリーズを、人気作家や人気絵師がトリビュートしちゃう一冊。
　こういった企画ものは薄い内容に終わりがちだが、本書は楽しかった（好き嫌いははっきり分かれたけど）。ちなみに自分はシリーズ「狂骨の夢」で止まってる不良読者。
　とくに印象に残ったもののみ下記に。
小説部門
あさのあつこ「鬼娘」展開、オチの想像はつくのだが、キャラをよくとらえていて雰囲気が出ていると思う。
牧野修「朦朧記録」ムードたっぷり。原作のキャラクターファンには受け入れがたい凄惨な内容だが、本家に勝るとも劣らぬウンチクの数々に幻惑された。
漫画・絵画部門
諸星大二郎「百鬼夜行イン」作中作（？）として語られる、妖怪ハンター稗田の物語がすばらしい。キュートながらラスト一言でキリリと締まった作品。すてきだ。諸星ファンは必読。
石黒亜矢子　表紙画がすばらしい。付喪神の百鬼夜行画だが、クラシックムードを引き継ぎつつ新妖怪・新解釈を加えているところがたまらん。
小畑健「榎木津礼二郎」う、うつくしかあああああ。原作の中ではエノさんファンの私にはハナヂものですた。