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読書の記録

倉阪鬼一郎「留美のために」

留美のために (ミステリー・リーグ)留美のために (ミステリー・リーグ)
倉阪鬼一郎

原書房 2007-09-20
asin:4562040998

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 二人の死人が出た文芸クラブは、遺稿朗読会を催し、解散することになった。遺稿の仕掛けに気付くことで、読者が共犯者となるミステリー。

 私はファム・ファタルを中心に据えた物語は好まないのだが、本書はヒロインが冒頭から既に故人となっているので抵抗なく読めた(←ヒドス)。
 いつも言葉や漢字に気を配るこの著者らしい味わいのある作品。
 なかなか謎解き部分が頭の体操のようで楽しいのだが、ラストにヒロインの存在感がクローズアップされるのが私的には残念。この辺は好みになるが、私は心底二階堂黎人「奇跡島の不思議」系の魔性の女モノが苦手なんだなあと実感。

p.s.仕掛けは違うが、コレを思い出したなあ。