藤沢周「幻夢」
幻夢 藤沢 周 文藝春秋 2007-08 asin:4163262601 Amazonで詳しく見る |
どろどろと脳髄とろかす怪奇幻想短編集。
異種族の交錯「迦桜羅」、醒めた夫婦の心理戦「タケヤブヤケタ」、現代的怪談「キューブ7」、変態小説の傑作「徒然なる侵入」、悪夢のように読者を酩酊させる「斬心」は、たいへんに面白かった。
とくに「徒然なる侵入」の乾いたユーモアは素晴らしい。
変態文学の金字塔といえよう。
しかし、表題作含む後半の三編は楽しみどころがよくわからなかった。残念そういうこともある。