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読書の記録

乃南アサ「いつか陽のあたる場所で」

いつか陽のあたる場所でいつか陽のあたる場所で
乃南 アサ

新潮社 2007-08
asin:410371008X

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 芭子と綾香はとある絆で助け合う友達。そんな二人が出会った理由は、犯罪だった。

 人情(という名の詮索も…)残る下町に展開する、女の友情物語。
 とにかくキャラ作りが巧い。派手なエピソードはないのに、ヒロインたちの境遇に引き込まれてしまうのはキャラがしっかり描写されているからだろう。
 地味ではあるが、しんみりさせられる連作小説であった。

p.s.ヒロインの住む町に巡回しているのは、あのおまわりさんである。もう少し出番があれば良かったけど、「駆け込み交番」駆けこみ交番 (新潮文庫 (の-9-35))では主役の座を老人会に奪われるし、本書では鈍感なストーカー扱いだし、不憫な子…。