柴田よしき「朝顔はまだ咲かない 小夏と秋の絵日記」
朝顔はまだ咲かない―小夏と秋の絵日記 柴田 よしき 東京創元社 2007-08 asin:4488023967 Amazonで詳しく見る |
ひきこもりの小夏の部屋に遊びに来る友人の秋は、奇妙な謎を持ち込んできて…青春日常の謎系ミステリー連作集。
いや、二十歳未満のオンナノコのモノローグでお話が進むもんだから、私みたいなロートルには読むのがちょっときつかったわん。事件はともかく、ヒロイン・なっちゃんの甘えん坊なのに意地っ張りな性格とか、秋とのバージン・セックス論とかがこそばゆくてね。まあでも終盤にはちゃんと読者としてなっちゃんがんばれーと思うことができたから、成功した成長物語なのだろう。
安楽椅子探偵、それも日常の謎系とくればとかく誇大妄想狂ぽくなるのは仕方ないか。ひきこもり探偵というと坂木司「青空の卵」シリーズを想起するが、あちらが男同士の友情なのに対して本書は女の子同士なことと、恋愛要素の多さ、友人目線ではなくヒッキー本人目線なのが新機軸だろうか。