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読書の記録

湯本豪一「江戸東京怪異百物語」

図説|江戸東京怪異百物語 (ふくろうの本)図説|江戸東京怪異百物語 (ふくろうの本)
湯本 豪一

河出書房新社 2007-07
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 江戸および明治に巷を賑わせた怪異譚を厳選し、図入りで百話集めた一冊。妖怪あり心霊あり、フリークスありの盛りだくさんな本である。美麗なカラー図譜も多い。

 私の印象に残ったものを下記に。このブログでは珍しく、ネタを割りがちだから未読の人は注意して。


第四話 足洗邸 のちに詳述される第十五話 蔵の大足と同様の話で、恐ろしげでいて足を洗ってあげればちゃっかり退散するというのが面白く味わい深い。
第十話 天鵞絨の化物 表紙画にもなっている怪。化物がいた、で終わってるもんだから、その後が激しく気になる。
第十二話 三河町の河童 まだ悪いこともしていないのに、この仕打ちはひどいのではないか。河童に同情する。
第十三話 猫の墓 わぁひどい話だー!手代にちゃんと話通しておけよ!祟られないのが不思議なくらいだ。
第十六話 霊亀出現 白いのはアルビノだし、蓑亀は伊豆アンディランドに昔いたよな。
第十八話 池袋の女 これはオサキの話だが、思春期の女性がポルターガイストの原因であるという西洋の説と呼応していて興味深い。第二十三話 怪虫と怪物 かわいー。
第二十九話 狐の妙術 お見事!
第三十一話 雷獣 同じ話をもとにしながらこれほどの差異が生じるとは驚き。
第四十二話 二人魂魄 あのぉ、この時代っていきなり子供の恋人に斬り掛かるもんなの?死んだらどうすんの?反対なのかと思いきや、結局婚礼をやってあげてるし。昔の親って怖い。
第五十七話 道灌山の狸 これは人間がひどいよなあ。オチのだじゃれに脱力。
第五十八話 月見団子 これは「ワンピース」のル(ry
第六十二話 狸の腹鼓 おっかさんの言うことしかきかないのが天邪鬼だね。しかし、死ぬまでやらんでも…。
第七十二話 深夜の黒坊主 エロ妖怪だ!怖い!!怖い!!
第七十三話 疱瘡神 挿画の着物の柄がめちゃ可愛いんですけど。
第七十四話 踊る猫 「What's Michael」の元祖みたいな話だ。しかし、オムツかぶって踊る猫が怖いか?昔の人は素朴だから恐がっているが、今なら投稿動画大賞に応募されてしまうだろう。
第七十六話 鬼のミイラ なんてイヤな絵はがきなんだ!これがカスハガというやつか。
第九十九話と百話はぜひ写真で見てみたいところ。