朱川湊人「超魔球スッポぬけ!」
超魔球スッポぬけ! 朱川 湊人 幻冬舎 2007-04 asin:4344013182 Amazonで詳しく見る |
ホラー小説家が語る、明るく楽しい思い出話エッセイ。
幻冬舎Webで連載されていたものだとか。表紙イラストのぶっ飛びようからして、ただならぬ雰囲気を醸し出しちゃっているのだが、期待にたがわぬ内容であった。涙あり笑いありずっこけありの盛り沢山な内容である。
ブログ調と言うのか、平成軽薄饒舌文体とでも言いたくなるような、多少くどくて好き嫌いの分かれそうな文体だけれども、内容は愉快だ。いつものホラー小説を念頭において読むとイメージの凄まじいギャップに脱力するが、面白ければオールオッケーである。とくに編集S氏との(脳内?)会話がイケイケのノリノリで面白い。
著者は昭和三十年台後半の生まれで、私はそれからさらに十年遅れた生まれなのだが、お正月のエピソードなど身につまされた。コンビニのいまだ存在しない時代…お節のない家の食卓がどうなってしまうのか、想像してみてほしい。私のトラウマ体験である。