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読書の記録

永井するみ「カカオ80%の夏」

カカオ80%の夏カカオ80%の夏
永井 するみ

理論社 2007-04
asin:4652086040

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 群れるのが苦手な女子高生・凪は、書き置きを残して失踪した級友を探し街を駆ける…。優等生の級友が消えた理由とは。

 理論社ミステリーYA!の一冊。この新レーベルは講談社ミステリーランドとどう棲みわけるのかと思ったが、ミステリーランドは主に小学生、ミステリーYA!は中高生くらいが読者対象なのな、たぶん。主人公の年齢設定から勝手にそうカテゴライズしてみた。どちらも大人からすると少し物足りないのはお約束。
 さて本書だが、ストーリーは素直に面白かった。子供でも大人でもなく家庭や社会において微妙な立ち位置のヒロインに好感が持てる。恋とまではいかないが、かっこよい身近な年上の男性なども登場するので乙女ならばうっとりするのではないか。
 残念なのは、展開にやや粗さ、都合の良さが目立つこと。私はその辺りが気になって醒めてしまったが、リアル対象年齢ならば気にせず楽しめるかもしれない。

p.s.ネット即オフって、ちょっと脇が甘いなあ…老婦人のガードが甘いと判断する凪だが、君のガードもそうとう甘いぞ。